ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ただの迷惑が 席に着いたら 教室の机らは 第一線と化す 銃弾の代わりに 消しゴムが飛ぶ 麻薬の代わりに 手紙が行き交う 自分の性には 迷惑も迷惑する 生傷と青痣を 戦果の贄にする 破壊音楽を唄う 猫を川で殺す 女子を監視する 楽しいと呟く 「迷惑の調べ」

上手く書けたら 褒めて欲しいの 花べんが包む 寂しい祈りを 花が散るのを 悲しむ間も無く あの娘は恋慕を 叶えてはしゃぐ 黒髪の香りで 切ない花蜜は その三つ編みに 意味を編み込む あの幸せさえ 色付く日々さえ 心の雌しべは 愛してさよなら 別れて伸びる …

僕と貴方の合挽き肉を 捏ねて丸めて焼き上げて 大事な我が子に与えます 微笑む顔が見たいから 焼き色付けた優しい性根に 気さくな肉汁溢れ出し よく視る目玉を乗せました 一人で立てる骨添えて 僕らは透明になった後 二つの脳をデザァトにして この子の為に…

大げさな墓石に 花束は絶えない 愛すべき人だと 後日談が咲いた 生前は嘆く仔を 誑かし追い詰め 全ては神の心と 白々しく祈った また人の過失で 死ぬ事を望んで その結実の為に 天命を悪用した 墓石に刻まれた 慈愛なる碑文は その狡猾を赦し 一つの善とした…

老人は微笑んだ 苦労なる走馬灯に 軍旗を追想して 骨の指で触れる 兵役の為に往く 恋人の敬礼姿に 泣き濡れた日々も 恨み抜いた日々も 彼は嘘吐きだから そっと手を取った 僕は必ず帰るよ 紅を舐める口づけ 平穏は彼の形見で 子孫は私の恋文だ 過ちと呼ばぬ…

夜は訪れて 月は孤独で 雨は謙虚で 僕らは悩む やめないで やめないで 友達になれる 最後の方法を 空は高すぎて 林檎は硬くて 灯は忙しげで 僕らは寂しい やめないで やめないで 友達になれる 最後の方法を 「ジュブナイル」

教室の窓ぎわの席で 退屈と遊ぶ貴方は 閉ざした瞼の中から 何を見たのだろう 私は貴方に惹かれ 言葉を重ねたけど これ以上無く哀しい さあねを知るだけ 私は涙を溢れさせ 貴方は信仰を続ける 下駄箱の手紙さえ 破るのを視てたよ 私は赤になりたい 貴方に見つ…

試験管の中で 揺蕩う血の色 僕らの根源は 愛と呼ばない この手段には 愉悦が無いと 神様はぼやき アダムを殺す 運命に従順に 生き永らえる そんな季節に 蕾は咲かない 罪悪を下さい 生きると願い 箱庭を逃げた 唯一の我欲に 「シリアル」

美神が与えた枷に 哀しすぎて死ねない 世界の終焉の日も 不全は彼らを捉える 暗闇の孤独の前で 舞姫はバレエを踊る 幽閉の鏡を意識し 靭やかな肢を伸ばす 詩人は唄い慣れた 清潔な吃音を奏でる 自らの静謐の中で 旋律の意に執心する その踊りと調べが 透明な…

常春の国は 桜が散らず 人は華やぎ 雨に怯える 菩提を知り 苦に離反し 我を信ぜば 業も赦さる 幸いは時に 脆弱を齎す 悪意の雫に 夢は滅びた 僕の国では 何かを殺し 悟る事無く 愛を語るぞ 「常春の国」

夜色の羽衣を纏い 牧歌的な夢を観る 僕らが住まう街は 大分慎ましい地獄だ 錠前は大量に有り 確かな扉は諦めた 鍵は指先を傷つけ 然し死ぬ程では無い 僕が期待に没頭し 君の心地は疾走す 不安が質量を宿せば 顔色も影も黒くなる 愕然と不実を知り 臆病者は厄…

情欲の蜘蛛が蠢き 貴方の乳房を挑発す 甘い声は毒されて 凡ては彼の物になる 僕の気遣いさえも 貴方は退屈だと詰る 野蛮な暴虐にこそ 依存し得る愛が実る 離別の際に気付くは 金が必要な愛の存在 幸いは贅沢を求めて 概念は只々味もせず 言葉は無益に費やし …

眼醒めを窓越しに 残酷な警告が照らす 騒がしい色を齧り 不満と共に唾を吐く 凶行は陽射しを浴び 蜃気楼が湧き出る 曖昧に陰る白昼夢は 排気ガスを纏える 僕の目の中の光に ナイフが乱反射する 夕暮れの模倣光に 夜の帳は近いと知る 僕は塗料の反乱分子 色相…

僕が盗んだものは 嘘、言い訳、独白 台詞、情景、思考 祈り、熱、切なさ 其れが言葉と成り 僕の硬い背を割る そして翅を広げて 聖なる無知を愛す 僕と他人の境界線 独創性を悼むれど 僕が掴まえたものは 誰かの遺した見解だ 泥棒は自己を失い 或いは獲得もし…

運命だと宣って 憐れむのは止めた 僕らは幸いの為 加害者を費すのだ 野ばらは傷害し それ故美しく咲く 大切な貴方だと 僕は台詞を加える 言葉に救われた 親切が嬉しかった 大げさに笑った 名前が欲しかった 僕ら以外全ては 気の触れた動物だ そう信じ込めば …

僕の大切な腰の脊髄は 宙に飛び立ち砕かれて 棒なる肢を撫でたなら 其処に安穏を垣間見る 僕の造形の欠如の前で 僕は僕を赦す術を視る 不随な躰は正直だから 失う代わりに奪わない 街路の端を歩かない 雑踏で耳を塞がない 視線の先を辿らない 隣人の知に怯え…

雨を繰り返す君は 不治の罪を負って 嘆く者の肩の上の 白い蝶を眺めてる 外れた歯車が僕は 鋭利な刃に映って 逃げる為の呪文を 常に唱えては惑う 運命の足音が騒ぎ 僕らを追い詰める 過ぎ去った罪悪に 縋り付くのは黄昏 赦しに伴う痛みに 神の悪意を信仰し …

不機嫌になる 貴方の頬を 指で啄いて 色なら陽色 乱れた貴方を 強く抱き寄せ 永遠と呼ぶ 色なら紅色 絡めた指を 世間は許さず 毛布に隠す 色なら水色 命が燃える 二人の突起は 口づけし合う 色なら飴色 「僕らの色」

貴方の胸の内の誇りに 僕の天命は相応しいか 一度だけの恋をして 其れを真実だと謳って 甘く恥らう夢を観て 枕は赤面の余熱を隠す 寝息の静寂を知る日から 僕の我儘は絶え間ない 貴方の笑顔に添うたびに 瞳は万華鏡へと変わる 絹のような肌さえも 触れる直前…

謎を暴くたびに 涙を流す癖がある 優しい君の元へ 怪事件らは訪れる 次々と秘匿された 殺意と悲哀の罪に 純白の脳細胞は 解を導いてしまう 犯行時刻に気づき 動機を見透かして 絡繰が紐解けど 人差し指は震える 安息の時間も無く 解かれたがる故殺に 探偵の…

過去の可能性は 全てが零%です 時間は遡るのに 誰も気づけません 僕たちの時系列が 自由移動をしたら 必然性を模した 剥き身と成ります 夢に観た機構は 物質或いは空間の 一分の隙無き流動を こじ開け奪います 僕たちの我が儘を 平行世界が無視して 不観測…

いつでも隣にいる 事は難しいと思う 永遠に君を愛する 自信は持てなくて 記憶は色褪せない 筈がなかったんだ 運命的に出会った と装飾する日々も 君を悲しませない 誓いは果たせずに 必ず護ってみせる には僕は弱過ぎて 老いた君も好きだ と想い合えるかな …

解に期待して 傍証を重ねる 会話の必然性に 僕を当て嵌める 導けば遠くに 笛の音がする 確定した運命に 誰もが抗えない 解法の絶対に 誤ちは不詳で 無限の悪魔らが 意地悪に微笑む 結末の暗室に 僕は横たえる 孤独の涙声の中 選択を信じ込む 「関係の解答欄」

僕は欺瞞して 一篇の詩を書く 感性の雪代が 貴方の喉に滑る 何者にも成れず 薄い意志は穢れ 嘘を愛したなら 詩は他人と化す 重なる言葉に 透明な僕を知る 語る為に描く 平行世界の独白 僕は喜びに震う 自身の空疎さで 時には愛さえも 着飾れることに 「感性…

発狂した母が 若き僕を視る 草臥れた僕は 薬物を服用する 僕は子供になり 辻褄が合いだす 母の望む時代に 僕は手を伸ばす 弁当箱の匂い 芝生の手触り 口喧嘩の慄き 父親の肩の硬さ 若い犬が駆ける 僕には届かない 母はどうなのか 思わず顔が歪む 「蜜柑哀歌」

可愛く撮ってよ 時間は戻らないの 優しく撫でてよ 祈りは届かないの 人肌ほどの記憶 涙のように温かい 寒空ほどの希望 涙のように冷たい 正しく叱ってよ 過ちは許さないの 寂しく嘆いてよ 歴史は創れないの 罰する為の痛み 恋のように切ない 孤独の為の覚悟 …

眠るゾンビに 泣くゾンビ 遊ぶゾンビに 恥ずゾンビ 頭蓋骨で二杯飯 脳髄液で酔っ払い 片目の旅への憧憬に 足取り重く散歩する 踊るゾンビに 観るゾンビ 学ぶゾンビに 知るゾンビ 口呼吸に劣等感 哲学的に悩みだす 今夜は月が綺麗だな 既に死したが残念だ 「…