2015-03-14 ■ 僕の大切な腰の脊髄は 宙に飛び立ち砕かれて 棒なる肢を撫でたなら 其処に安穏を垣間見る 僕の造形の欠如の前で 僕は僕を赦す術を視る 不随な躰は正直だから 失う代わりに奪わない 街路の端を歩かない 雑踏で耳を塞がない 視線の先を辿らない 隣人の知に怯えない 介護で約束を果たす君 其れが僕に慈愛を宿す 生物の冒涜だとしても ただ唯一の救済なのだ 「無能の勝算」