2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
叶えはしない 貴方の都合を 許しはしない 貴方の理由を たった一度も 僕を信じず その情景だけ 差別したのに 貴方の世界は 貴方の誤解 貴方の多幸は 貴方の空疎 そして僕には 罪の根植えて 涙のあとさえ 白々しくて 「葬儀のあと」
夜がこんなに悲しいのは 暗闇に一死が潜むから 或いは視覚の外で 切実さまで枯れるから 完全なる未知と 永遠の夜は似ている 死神は胸に手を当て 憂いた顔で愛おしく想う 曲がった羽の天使は 食聖草に捕まっていく 夜の灯りに囁くのは 彼女を咀嚼し溶解する声…
貴方は信じない 僕の中の血肉は 概念の袋詰めで 生に解放されたと パンの代わりに 物語を食べる それはまるで魔法 観測体系の彼岸 跪く夢狂いに 叶える願いはない 安らかなる魂に 真実は必要ない 怯える貴方に 僕は孤独を落とす 視えない毒の杯を 今、飲み干…
細やかな花言葉は 花に意味を与える 僕にも言葉があれば 何かが残ったろうか 「美しい別れ」 「遠回りした涙」 「神様への同情」 「放物線からの恋」 僕の靴の中から 強い茎の花が咲く 地獄は胸の中で 色合いを欲しがった 「贅沢な孤独」 「追いついた空」 …
爽やかな青空 透き通る朝に 通り魔は少女を 滅多刺しにした 恐怖色の雲に 降り注ぐ黒雨 子供らは寄り添い 誓いのキスをした 屋上を包む風は 気持ちが良いものだ 飛び降りる時も 彼女はそう言った 情景は僕らを騙す 幸せを強いる嘘で 今日で世界は終わる 満天…
使わないものは 全て海に沈めて そのさざ波だけを ただ眺めている トラウマだって 遠くへ流れた 色欲の無粋は 赤く白く染める 気休めの言葉は 泡を吐き続け 天使の幻視は 海を酷く沸かせた 僕は爪先から 海の底へと歩む 途中で出会う あの人に謝る為に 「海…
ネコニエの噂のバグから 僕は一歩も進めないんだ 学校の前を彷徨いたのに 残酷な彼らと出会えない 瓶に詰まった黒い液体 ネコのジュースは猫の味 土に埋められ墓も無く 蓋を閉められ愛も無く 好きなあの娘は神様だった だから僕は天使を望んだ 誰より優しい…
酸性雨の中 少女は踊る 爪先立てて 腰を伸ばして 肌は溶けてく 余計なものだ 声は溶けてく 余計なものだ 骨を晒して 涙を失う 美しすぎる 彼女の本性 最期に愛へ 指を伸ばして 彫塑になるは 永遠の純潔 「レイニー・バレエ」
明けない朝は無いはずなので 僕は月にて暮らします 溢れる満月の明かりの中で サブカル漫画を読み解きます 上弦の月と下弦の月には 片割れになった夢を見ます その繰り返しを録画して 違法なビデオに上書きします 三日月の先でリストカットし 流れる血が海に…
浅ましい誇りを 愛して欲しい それは両足を 立たせる義足だ 面倒な卑屈を 愛して欲しい それは眼中を 掻き回す炎だ 頼りない言葉を 愛して欲しい それは貴方を 知りたがる合図だ 穢れてる情欲を 愛して欲しい それが生存性を 切り開いた刃だ 「汚点の幸い」
産気づいた必死な妊婦を 乗せた凶悪なタクシーに 轢かれて死んだこの僕は バランスが取れているのかな 果たして血濡れた幼児には 何と教えてゆくのだろう 罪の果実はあまりに苦くて 安楽にさえ影を落とすが 僕は彼らの傷痕の為に 何度も何度も打ち潰される …
穴を掘れ 穴を掘れ 勇敢な蟻は 喰い破る 穴を掘れ 穴を掘れ 汚れた粘膜 脳髄の奥 子を宿せ 子を宿せ この感性は 美味である 子を宿せ 子を宿せ 退屈しない 危険思想に 「思想を喰う蟻」
鍵盤を叩きつける 性霊に言葉が必要か 鍵盤を叩きつける 性霊に理由が必要か 鍵盤を叩きつける 望まぬ僕は逆しまか 鍵盤を叩きつける 傷つく僕は逆しまか 鍵盤を叩きつける 地獄は誰らの憧憬か 鍵盤を叩きつける 故郷は誰らの幻想か 鍵盤は堪らず鳴く ofjia …
愛した貴方の 胎内にある 鳥かごに住む 僕の虚像は 少し僕より 勇気があって 少し僕より 我が儘だった 貴方が見ゆる 僕の嘘には 貴方の選んだ 憧憬がある 僕を傷つけ 望まぬことに 何より貴方の 愛を感じる 「ずれる」
少年が静かに 涙を流したら 我々の敗北は 決定づけられる 意識ある覚醒 痛みある献身 強き傷の共鳴 喪失による只狂 紅き炎の右腕 黒き風の鎧 少年は獣の心で 何者にもなる 我々はその力に 為す術もないまま ただ敗北の公正に 自らの存在を知った 「燃立つ戯…
あの娘の機関銃 華やかなる春 学校の屋上で 僕は蟲の死骸だ 板で出来た馬 心臓は一輪の楓 彼女の決心に 涙は自然だった 引き金を撫でる 指はとても白い 照準は罪なき 加害者の頭へ 酸素の濃度だけが 彼女の声を遮る 堪らず叫んだのは 残虐な躊躇い傷 全てが…
共喰いに伴う鋭感は 小学校で教わります 中学校で実技をします 高校になれば常識です 少女は陰湿に喰らいます 少年は乱暴に喰らいます 僕は自分を齧ります それを先生に叱られます 肉よ、犠牲を知れ あの娘は臓腑を抱えます 肉よ、犠牲を知れ 青年は育って自…
堕胎ジュース 飲み干したなら いつものように 愛してくれる ミキサーの刃が 砕いた残滓を 血肉にするほど 私は好きなの 本気で繋がり 本気で求めた その真実だけ 天に示した 夜は濡れてる 貴方の半分 私が欲しくて 許せぬ遺伝子 「堕胎ジュース」
燃える少女に 火を点けたのは 悪に恋した 一冊の詩集 淫靡で崇高な 肉体の秘密 無邪気で残酷な 精神の輪郭 少女の手には 冷たい小鳥を 少女の口には 真っ赤な紅を 痛苦の中にて 初めて得られた 悪の美観に 少女は泣いた 「不相応な悪」
遠回りして 遠回りして 両手の幻想を 花瓶に飾ろう 羽ばたいて 羽ばたいて 飛べない羽を 標本にしよう 練習をして 練習をして 完璧な笑顔を 写真に撮ろう 足りずとも 足りずとも あの娘に贈る 声のない恋文 「声のない恋文」
僕を理解する 黒き太陽 その熱線は 遍くを燃やす 焼死体に紛れて 火傷を刻印する 痛みを求めて バスタブで死ぬ 死神は紳士故 それを寵愛する 地獄の調べにも 喝采の権利はある 海底の凶悪に 肉達磨の人よ 魚たちの食欲も 種への肯定が成す 空洞の骨身には 僕…
助けての置き場所は いつか殆ど忘れていた どんな顔をしていたか どんな声をしていたか 海底に沈む告白も 宇宙を回る憶測も 人の言葉に気が触れて 全て天啓に犯された 僕は確かに必要な 誰かの何かがあったのに 透明な毒を吸い込めば 想起の涙も枯れ果てる …
僕の罪は 三十一の過ち 愛してるを 犠牲にする 護るはずが 奪っていた 懸命さにさえ 報われぬ朝 ただ今は 憎しみの偶像 繰り返せば 最善もあれど 救うはずが 害していた 誠実さにさえ 裏切りの雨 「覚醒の痕」
消えていく 世の中に 泣くなんて バカみたい 死んでいく 温もりに 泣くなんて バカみたい 壊れていく 優しさに 泣くなんて バカみたい もう感覚も無いけれど 私は私の為に泣いたの 「バカな私」
草原に転がった 黒人の足首 野生の風が知る 彼の勇敢さ 人間賛美歌を 奏でる部族が 生贄に選んだ 恋をする処女 石槍が突き破り 彼は吠える 松明が照らすは 愉悦者の瞳 獣たちは敬い 足首を祀った 二人は駆ける 最愛の彼方を 「黒い英傑」
不滅の恋人よ 私の分身よ 貴方は私を信じ ただ愛して欲しい 貴方に捨てられた私は 魂の無い亡霊なのだ 楽曲の意味も 鍵盤の重みも 今の私には 苦悩の果実だ 私の中の音楽たちが 決して私を許しはしない 貴方の囁きを 私から奪う神に 脳で燃える音色で 闘いを…
地獄の川辺で 狂人が唄う 生前の彼は 善人であった 花と妻を愛し 尽力を注ぎ 自らは黙って 謙虚に笑った 子を成せない 妻を愛した 花を剪定する 心地のままで 閻魔は憂いて 狂人に問えば 曰く我が子の 命日なのだと 蘚苔が育ち 花が咲くまで 彼は唄うぞ 罪も…
非才で迂回し 風景に苛まれ 道筋を疑えど 失望される僕 凡庸な血を流しては 毒や薬に憧れ病みて 陽なる才気で 僕など見下し 軽率に愛して 求められる彼 天啓の雨で武装した 硬き聖は僕への侮辱 そして一切の矜持も無いまま 僕には彼こそが害悪だと知る この…