ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

海に狼を探しに行く 喰われてお伽噺になる為に 刃のような波が引いたら 千切れた臓腑が残される 臓腑は息を吹き返し 屈んだ僕に忠告をする 「過去になるのは止めなさい 美しさだけしか残りはしない」 海では臓腑の死神たちも 塩の取り過ぎで高血圧だ 僕は自…

夜は更けに更け果てて 聴こえるのは犬の寝言と韓国語 安全過ぎる毛布にくるまって 世界の終わりをジッと待っている 僕の世界の終わりには 貴方の死が含まずにいる 寝息を立てる貴方を見ると 安心と恐怖が交わってしまうから 失うとはきっと こういう事なんだ…

貴方の薬になりたい 胃の中に浮かびながら 死して一石を投じ 何れは血液の混紡になるのだ 痛み止めに 風邪薬 抗うつ剤と 覚せい剤 毎日服用して欲しい 冷たい水で飲んで欲しい 喉を鳴らして落ちていくのに 何よりするりと心が震える 粉薬に 錠剤二粒 液状薬…

耳に手を当てる 僕の音が聞こえる 貴方が居ない事が 耳に入らないように 瞼を重く閉じる 僕の色が見える 貴方が居ない事が 目に映らないように 泣き虫は欲張りだから 愛に群がる寄生虫 僕は何故泣いているのか 愛に群がる寄生虫 唇を噛み合わせる 僕の味は鉄…

僕に薬を下さい 胎児になれる薬を 光を失う薬を 音が遠ざかる薬を 肌が燃え盛る薬を 胃の中で溶けて 体の隅々を駆け巡る 確かで間違わない薬を 僕を裏切らない薬を 水に溶かしソーダ水となり はじけた泡の数の分だけ 記憶が掻き消える薬を この記録する器官…

愛だの恋だの 好きだの嫌いだの 初めてぼやいた人類は その感情に戸惑って きっと不穏に死んだのでしょう 重要なのは 思考することが猛毒であること 思い出の感触は 不意に人格を傷つける 寂しい未知は 直ぐに生かす理由を無くす 原始の世界で僕たちは こん…

死んで欲しいが 口からこぼれた 酸素に触れて 貴方を焼いた 告白ならば 愛するならば 或いは私が 許していたら 貴方を庇った あの娘は泣いた その美しさに 吐き気さえした 貴方は番い 私は咎人 銀の炎で 世界よ、終われ 「銀色の咎め」

貴方の事が気になります その大腸の生真面目な皺 その歯並びの隙間風の匂い その爪の下に隠れた皮膚の薄さ 貴方の躰は時々地震を起こしては 赤血球やグリコーゲンを驚かせます そして胃の中に残った未消化の小骨は 気持ちよさそうにぐるりと泳いでいます 貴…

週に一度は死にたくなって 三日に一度お喋りしてる 朝には甘いお菓子を求め 夜になったら泣いてみる 汚い色も使ったキャンバス 貴方が私は羨ましい 幸せになる魔法が解けても 貴方は素直に気軽に笑う 私はとてもインチキだから 綺麗なものしか持たないの 宝…

ねぇ、幽霊になりたいな ピカピカ光る幽霊に 痛い痛いと言いながら 本当はもう死んでいるんです イライラ顔の塾帰りの少女を ワッと背中から驚かせたいな 心ごと引き篭もっている青年に 画面の中からこんにちは! 血塗れになった服を着て 中から色々飛び出し…

不幸せな三日月は その場限りの芸術に晒し 欠けた部分が痛くて泣いた 近づくものもみんな傷つけ 夜分を赤く照らしてる 狼少女が駆けている 時折吼えるのは恋人が 多くを持たなくものだから その永遠の満ち欠けに 私がいると訴える 僕は声を聞き遂げて さらに…

もしもあの娘に逢ったなら 幸せだったと伝えて欲しい この不器用な僕の嘘で あの娘の胸の棘が優しさに変わるなら 乾いた布きれから滴る雨水 真っ赤な炎をあげる石製の砦 永遠に草を食む事の無い牛 そして貴方と僕が愛し合うこと もしもあの娘に逢ったなら 明…

憂鬱の風が吹いた時 僕には鼓動が残される 白線の後ろで待つ時は 命が強く拒絶を始める 消えてしまいたいのは 眠る胎児の記憶に還り 羊水の中に置き忘れていた 危機感と使命感を想起するから 行方不明の愛に草臥れ 僕は鏡の嘘をなぞっている 世界に含有する…

死を呼ぶ水を 飲み干した後 横になったら 考えるのだ 他人の輝きが 目を傷めつけ 透明な心を 照り付けている 崩れる自分の 声は閉ざして 苦い憧憬も 嘘にするのか 僕はもう死んでしまうのだから 欺瞞に満ちた感情は要らない 夜の色した 僕の信号 その循環に…

景色が重く 鉛の骨身 足元に在る 時間の死骸 吐き気を堪えて 寂しい地獄 汚れた脳味噌 千切って歩く 好いは良くなく 悪いは悪く 意志の喪失 誰にも告げず 投げられた石 齧って過ごす 全てが嘘と 信じる為に 最先端の 薬を飲んで 苦し紛れに 声をあげたら 願…

スプレー缶の死体の 返り血を浴びた高架下 青く未熟な果実らが 若気の哲学に報復をする 江利絵里れ柾獏太に 体育倉庫の暗がりで 無垢に振り下ろす釘バッド 痺れる指先で確かに感じる 罪悪感の気持ちよさ 江利絵里れ柾獏太に 意味を望んだ敵対心で 教室は完成…

聖者を気取る人々は 行進で踏まれた花を知らない 花を眺める喜びだけで生きる サナトリウムの少女を知らない 少女の死への無力に苛まれた 母親の涙の音を知らない 涙が堪え切れずに空に集まり 降り出す雨の冷たさを知らない 雨に凍えて鳴き声も吐き出せぬ 無…

言葉に言葉を選ぶほど 世間の愛から外れてく 想いに想いを募るほど 理解の放棄に曝される 哲学的な夢を見て 目が覚めたのは深夜四時 パソコンの光は暗闇で ポルノ映画のワンシーン どうやら私以外の人は みんな死んでしまったようだ 手に触れるものすべて冷…

月夜に裸で踊っている 貴方の乳房を切り取って 噴き出す水銀を体に浴びて 僕は貴方に近くなる 肩甲骨を発掘するべく 貴方の背中に縋ってる 傷跡だけが残ったら 僕は貴方を求めだす 貴方は女という個性を 何より強く嫌っていたね 部屋に足首を持ち帰り 僕は貴…

サボテンになったあの娘 幾万の針に刺されているのは 自分自身だと気づくのはいつ? 電灯になった彼ら 恋人を照らしているだけでは 守れないと気づくのはいつ? 物語になった貴方 語り継がれ恋をばら撒いても いずれは忘れると気づくのはいつ? 詩編になった…

宇宙がバラバラに砕けて 貴方とはもう逢えないの そして僕を大人にしたと 運命が後ろで笑ってる 愚かな寝息を立てている 愚かな手紙を書いている 愚かな交尾を繰り返す そんな貴方が好きでした 色づく貴方は誰々に 品性が無く映ったけれど 今ではその失望さ…

懸念で湿り過ぎた空が 僕の影を消していく 行方も知れない灯火に いっそ雨でも降ればいい それで酸素の気が済むのなら 手首を切ってまで確かめた 命の記憶は死にました 安全剃刀に頼ったせいで 不実は全て流しに流れた これはこうしてこういう風に 人に決め…

白絵は天使の翼が千切れ 少女になった馴れ初めを 舌足らずに僕に言う 健忘的な反芻神話 消しゴムで消せるものだけが 僕らに偽れるものだよ 白絵はその血液さえも 色が付くのを嫌ってた 青い宇宙のその先の先に 白絵が仕えた天国がある だから僕は逃さぬよう…

少女は恋に味を占めて 知ったような顔をする その瞬間の幼げに 何より服従したくなる 恋を組み立て法則に 経験則は真理の至り 自分以外の真実などない 矛盾に怯えず哲学になる 傷つく恋の多さで競う 現代社会の殉教者 その宗教は僕の街では お洒落なアクセに…

猫の鎖骨を借りて 闇を切り裂いていく 頼もしい健気な硬度で この世界を終わらせる しかし朝は望まない 星無き青空は必要ない 白く霞んだ朝靄に 冷たくなった鳴き声を濡らす 実存をコラージュして 僕は産み落とされた だから死に近づけど 正解と上手に調和で…

どうか神様お願いです 僕を許さないで下さい 誰よりも多く傷ついて 誰よりも酷く汚れさせ 誰よりも辛く睨まれて 誰よりも惨めな朝を下さい 心の底から笑えぬように 何かといつも遠慮するように 誰も僕の心を唄わないように 類似の輪には入れぬように 寄り添…

貴方の名前を 教えて欲しい 汚れた夜に 浮かぶ面影 貴方の名前を 教えて欲しい 寂しい街の 足音の中で 貴方の名前を 教えて欲しい 漫画な夢に 溺れる前に 暖色系の自殺未遂に 明け暮れていた日々の中 貴方の一度きりの自殺行為が 驚くほどに青かったから 貴…