ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

煙草を揉み消して夜を見る 「おどれも死ぬるか」 ベランダ八階の夢から醒めて 「おどれは生くるか」 道路の横断で白線またぎ 「おどれも死ぬるか」 赤信号が僕を赤面させる 「おどれは生くるか」 川に架かる橋を真っ直ぐ歩けず 「おどれも死ぬるか」 そこに…

尾てい骨を齧ったら イヴが神様にNTRられる 今年は林檎が豊作です アダムは猥褻で捕まった 自分の膿で渇きを潤し そのウジ虫でお腹を満たす 悲しい殺意は空中で弾け 憎悪を想う寂しさだけ残します 神様、神様、貴方の恋は 僕らに罰を与えるのでしょう だけど…

君の声が混線してる ハローハローハロー 誰かが誰かの陰口を受信する ハローハローハロー 僕の真似して笑う子供たち ハローハローハロー 自分らしさに縋る大人たち ハローハローハロー 僕の声は聞こえてますか? ハローハローハロー 嘘だと分かってくれます…

「麻酔が効いてきたの」 僕の体にメスが深く入る この痛まない傷口によって 胸の喪失感の意味を知る 死神達は其れこそ大げさに 人の生死を口々に自慢する 君の命が甘いからと咥えて 醜く太った堕ちていく神様 人が死ぬということが こんなに惨めな事なんて …

やっぱり世界は幻だった 柔らかい苦痛が胸を打ったよ 電車のホームに飛び込めたなら きっと夢から醒めるのね 昔の恋人を闇に葬る 齢100の女子高生 きっとこれから何も無くなる 賢治はそれを恐れるなと言うけど 目が回るほどの情報に そろそろ酔いが回ってき…

(それでも好き)と言いたくて 僕は白い壁に手を触れる そして何度も口ずさんでは その反響を待ち続けている 人に好意を伝える為に 繰り返し繰り返し練習しよう 鏡の戒めを甘受しながら 唇にそっと恋慕の紅をひく ただ触れるだけの幸せに 僕の言葉は行方を暗…

刹那の愛は阻害される 手触りが全て罪になる 人を殺した心地さえ この罪悪には敵わない そっと口づけを交わそうか これが最後になるだろう 夢のような日々を惰眠して また遠い貴方は一人だけ 神経毒のような交換日記 貴方の返事を待っている いずれはこれも…

悲しむ人は誰だって 湿った愛を持っているのです その愛に気づいた時に 人は追想に焦がれるのです リンドウの花が咲く 僕の脳みそを養分に 青く青く咲き誇る したたる露は恐らく涙 悲しむ人は誰だって 沈黙の言葉を語るのです その言葉に耳を傾けて 人は静か…

生きた亡霊の痛覚が 僕の居場所を示してる 脳も心臓も無関係な 臓器であると囁いている 深夜に徘徊のその間 この情報体は発光を許す そして影に潜む真実に 光を浴びた嘘はバツが悪い 僕は生きて脈打つ臓物から 概念の多用で解放される 感情と言うものの住処…

近日の水不足のせいで 涙はとうに枯れました ただ溶け残った血栓が 僕の心を腐らせていきます 禁止用語の看護婦さんが 性的献血を求めます 水量のないこの世の中に 人の形は困難を極めます 愛の八十パーセントは水分です 流れて溢れてこぼれるのです この渇…

彼は物を知らない だから言葉を大切にした 博士な彼女の切れ長の瞳に 見透かされるのは嫌だから 彼は愛を知らない だから痛みを大切にした 恋愛中毒の彼女の惚気話に 掻き乱されるのは耐えられないから 彼は事実を知らない だから想起を大切にした 知り尽く…

すっかり黒焦げな少女を 解体するのは実に容易いね 悪い熱病に魘されたように 渇き濁った血の痕をただ舐める 鎖骨に肋骨に尾骶骨 全て神様の宝物 ミディアムレアな心臓に 響くその言葉は実に簡素 義手のような僕の右腕で 貴方の暗闇を弄っても もう少女とは…

僕の優しさはアフターピル 不誠実が実った嘘の大木 そんな泣きそうな目で見ないでよ 悪は滅びぬうちが華 関係性を正すなら この尤もなからだたちを並べ 端から端から撃ちぬいていく そんな恐ろしい決意に着床し 人間の死体に近づくほどに 恐ろしき姿の亡霊た…

僕と彼女が違う理由は主に 突発的な青春の症例による 愛情の浪費で日常化した 人肌の重要度の違いに依存している 破瓜した心を置き去りに その感性で愛を与える不自然さ 僕の性質はいつしか収束を余儀なくされ 怪物と化した終わりの息吹を溜息と呼ぶ 煙草の…

孤独に半壊した心は 静かに時計の針を止める それから必然的にこの僕は 暗い海を裸のまま漂う 降り注いだ幾千の愛 叶わなかったこの想い 人生に負けた大人たちが 僕に頑張れと嘯けども この海には魚はいない いるのは罪なき水子たち 理由を知らないその不幸…

貴方の指が閉じ込められた シーチキンの缶詰が いずれ腐敗し破裂するまで 僕の恋心は終わらない 百年先には誰も生きてない その必然性が心の支え 運命など朽ち果てるほど 錆びついた時間をこの胸に 甘い言葉を囁こうとも 確かな意味などきっと無いよ 傍にい…