ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

胎児を潰せ 残らず全て 汚物を流せ 凍える水で 顔は裂傷だ 不快な躍動 肌は塵袋だ 隠すは化物 湯気立つ腸 鮮度の薫り 濡れた人骨 剥して齧る 脳と対峙し 祈りに咽ぶ 漸く逢えた 飾らぬ君よ 「解剖のワルツ」

砂漠に住む鳥 雷光を喰らう 翼は燃え尽き 空など忘れた 陽射しの砂に 強奪の風らが 憩いし水辺を 美しくさせる 親しい蛇から 愛情を教わる 曰く雨季より 熱さを知る毒 塵と朽ちるに 肉こそ剥され その晩餐では 貴方が主役だ 「砂の鳥」

新雪の如く 貴方は睡る 何度も問い 何度も泣く 血肉で占い 白骨を砕く 何度も噛み 何度も恋う 堕落を好む 文学が哀し 何度も読み 何度も悔ゆ 生涯でしか 語れぬ僕よ 何度も馳せ 何度も死ね 「駄目な冬」

寸法狂いな 愛の言葉を 囁き続けて 白痴に至る 才無き頭の その遠回り 切な想いは 確かな筈で 君の嘘泣き 頬に降る雨 怯える僕は 顔色触れる 白けた情に 無言で喚く 実は僕には 恋の真理が 「臆する失恋」

黒人の少年が 輝く瞳に映す 悠雨降る草原 蒼色めく薫り 逞しい心魂は 恐竜さえ憶え 闊歩した土を 硬く強くする 骨と砂の舞踊 純粋な神の声 獣との哀歌か 求愛の本質か 銃弾が奪えど 傍らでは甦る 必ず還る地よ 泪に潤い給え 「野性な走馬灯」

今更ですが。

東京滞在中はパソコンが無いので、詩が書けません。毎日書けない事で罪悪感でいっぱいですが、どうかご了承下さい。因みに今日の深夜に帰りますので、作詩は明日から再開になると思います。あしからず。よしなに。

【告知】第二十一回文学フリマ東京に出店します。

(トップページにすると色々な弊害がある為、やめました) 11月23日の文学フリマ東京にて、単独処女現存詩集を出します。 サークルは煩文庫と銘打ち、名義は煩先生としての活動です。 詩集の題名は「連続性に乏しい僕ら」と言います。全編、四行四連詩で纏め…

肺に咲く花 蝶を誘えば 水辺と遣う 黒い血汐よ 僕を罹りて 生涯と看る 偉大な病棟 巨大な密室 犠牲者故の 記憶を創る 深紅な錠剤 麦酒で服す 傷んだ躯が 夢を描くは ただ健全な 裸の心臓か 「心の肺病」

奇跡に睡る 輪廻の断片 君が夢見た 星の宇宙船 一葉綴れば 破るが苦悩 恋の彼方に 少しの嘘を 泣き虫な心 表情固めて 唄を唄えば 悪い風吹く 人類の条件 欠落多くに 僕は遅刻し 人生とする 「望遠の舞台」

近くへ来て 苦しい程に 声を殺して 哀しい程に 私の所為で 苛立つ人よ 私の所為で 憂いに憩え 自販機の灯 瞳を焼いて 煙草の薫り 嘘を濁らす 倖せは全て 貴方に捧ぐ 疾患は全て 私に正しい 「黙る公園」

羞恥の星で 孤独を想う 宇宙で蟲が 黒に集れば 規制線越え 白墨の芸術 星座は驕り 形を偉ぶる 唯一の元素 名前を禁ず 満月は鏡で 憂鬱に病む 僕を見下す 退屈な速度 太陽の心は 痴呆に近い 「敗北の銀河」

膨らむ頬に そっと触れ 唇急かせば 笑顔も忘れ 瞳に隠した ウブを好く 震える肩の 甘える儘に 綺麗な爪で 日々を解き 深く沈める 息が止む程 跳ねる喉元 噛み付いて 恋は返り血 切なる我欲 「初夜の涙」

悪漢にして 奴が在りと 平気な人は 囁きあった 恋人を騙し その愛情を 生きる為に 費したから 何より脆い 虚勢の化物 下卑た掌編 その支配者 死する前に 懺悔犯せば 涙の雨まで 色付く罪よ 「悪党の初恋」

僕を省くのが 最も美しくて 世界の歯車は 完璧に重なる 死は起爆剤で 迷惑な状態だ 可愛い少女も 嘘に食傷する だから僕には 色が必要ない 窒素の心根で ただ想うだけ 核弾頭の炎も 白痴者の瞳も 暗がりの幻も 全てが愛しい 「透明な役割」

時は手遅れ 淋しい引力 獣がる儀式 魔女の唄声 君が全てで 全てが君で 咎人紛いの 笑顔が辛い 恋は雰囲気 根刮ぎ独占 誤れば業火 正義の沈黙 僕が不在で 不在が僕で 神様紛いの 嗚咽が痛い 「禍福の天使」

自殺未遂な 私の告白に 女が薫って 花蟲は集る 騒ぐ沈黙の 冷たい埃は 前髪の分の 哀愁がある 発作と共に 疼く子宮が 私の孤独を 浮彫とする 恋が破かれ 顕な乳房に 短剣で突く 禊は有るか 「幼い独裁」

君の前では 羊飼いです 放蕩を好む 空想家です 乳房に潜り 口笛吹けば 蜂蜜舐めて 詠いました 季節の色を 日々挑めば 表情豊かに 求めました 故に喪えば 追想を砕く 都会訛りな 僕の腰つき 「遠い牧歌」

情緒ある死に 留守電が囁く 映画の終幕は 永遠に切ない 配役の鎮魂に 涙する馬鹿は 多病な死神が 役割を授ける 腕に駆け回る 苦悩を慕えと 猫に物足りぬ 憎悪を知れと 残酷な天国で 等しく穢れど 一切狂わずに 僕は死を愛す 「厄介な死」

僕は自由を 気儘を掴む 勿忘草だけ 机に咲かせ その亡骸は 無様を極め 葉山葵劣る 不味い晩餐 小言を失い 重ねる淫猥 紫蘭の花が 強く香れど 清々したと 酒に浸れば 水仙齧って 夢を眺めた 「涙の訳」

有償の愛 非凡な愛 虚言の愛 卑怯な愛 欲するは 雨上がり その薫り 肌の寒さ 授かるは 焼く逢魔 その不安 他人の顔 願うなら 堂々巡り その鮮度 時間遡行 「愛の反覆」

三文詩人の 非才な骸に 避ける人々 空が綺麗だ 錆びた感性 大事に抱え 噂は粗悪か 海も広がる 真摯さ故の 滑稽な汗を 倖せが嗤う 雨に憂うは 人生捧げた 切な魔法も 頁は捲られ 星の見事よ 「愚の断片」

牧師が腰振り 醜女は乱れる 揺れる教会の 僕の目の前で 聖者を脱いで 牧師は嗜虐す 捏ねた乳房の 味に酔い痴れ 濃密に粘つく 恥辱の言葉に 善がる醜女は 神の名を呼ぶ 僕は没頭せど 同時に恐れる 天上の仮面が 崩れゆく音を 「懺悔室の穴」

業火に焼かれ 叫ぶ恋人から 瞳を逸らして 安堵している 冬から逃げる 一輪の竜胆の 蒼なる毒色に 親しみを持つ 淋しい邪教に 贄を求めれば 夜の児童らが 安価で媚びる 手筈が整えば 指揮棒振るい 僕の感受性の 艶を証明する 「竜胆の涙」

屋敷の塀に 十字架描き 古い贖罪を 祝福と信ず 亡霊の痕に 花束添えて 集る羽虫を 生命と叫く 恋人の肌に 強く齧って 苦悶の色を 愛情と視る 刳る墓穴に 自ら横たえ 地中の死を 芸術とする 「軽薄な詩情」

悪鬼は伴侶を 丸太に求めた 砕けず拒まず 傍に居るから 劣情を滾らせ 激しく抱けど 全てを理解し 静かに甘えた 刻んだ微笑み 視る度祈った 目元は愛した 母様に似てる 彼が老いぼれ 迎えが来たら 墓標の如くに 彼女が聳えた 「寡黙な愛妻」

骨髄が鳴く 切なさ故に 抱擁の中で 愛する故に 詩人は呻き 言葉を捜す 軋む背中の 最期の一節 何れ砕けて 吐血と踊る 瞳も霞めば 両手を翳す 複雑な肉に 哀憐のキス 闇で美神は 娘を擬する 「充分な死」

君の子宮で 眠り続ける 時折蹴れば 幸いとして 胎盤を喰い 羊水で潤す 束縛の無い 僕は異物だ 永遠の胎児 至極の愛情 君の季節を 独占したい 恋は赦さず 僕に狂えと 膣の中から 笑顔で覗く 「最小の箱庭」