ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2010-01-01から1年間の記事一覧

僕の声が銃声になればと 僕は言葉を始めるのです 声をとがらせ狙いを定め 壁に向かってダガダガダ 僕の声が銃声になればと 僕は何度も続けるのです 喉を捻ってポーズを決めて 壁に向かってダガダガダ 僕の声が銃声になればと 僕はいつでも始めるのです 片目…

この世はいつも陰謀めいて 僕らの恋慕を脅かす 欺瞞に満ちた公式発表 その意地悪さに気づけない そもそも誰かの不誠実が 誰の合理性を殺しているの 弱く惨めに生きてる中で 助けの声など聞けずにいたよ この世はいつも陰謀めいて あの娘の正気を脅かす 強要…

賢く優しい少女には 誰もが知らぬ秘密があって それは海底の宝箱に そっとしまっておくようなもの 少女の言葉が確かなら 僕はそれを探さねばならない 肌を重ねるとは違う方法で 宝石を抱きしめてみたいのだ 水面には彼女の情緒が波打つ 掬ってみると過去に零…

赤い情念が剥きだして 私は不自由な患部で性愛 何度と何度も度々に 悪い身体で楽しめたふり それからダークな君は喝采 決め台詞を以て暗転してく どこまでも貴方を許しはしない 分娩で睨む私はキチなの こうして死体を祈っている間にも 気持ちが悪い気持ちが…

祭囃子は嫌いです 僕を脅迫するのです 少しずつ近づいてきては 何も教えずに離れていきます 神社の道を片足で 願をかけては渡ります 途中の金魚の死体には 決して振り返ってはいけません 腐った匂いの見世物小屋で いつぞや貴方が泣いてます 僕は眺める群衆…

私は何も怖くない 壊れたものはしょうがない 首を握って離さない 殺されたとして気づかない? 片一方は怒っているのに もう片方は笑っている 片方はそれでも価値があって もうなんにも意味なんてないらしいよ 止まるな止まるな! と叫んで 夢や恋に向かって…

静かにアポロスフィーして アキパに気づき セラルを手放さないように ずっとずっとイルリする 僕はこんなにキャルクだから もうフツエも叶わない だけど最後のラメリルは あなたを僕はキリルする 「シャイ」

蝉が頭に飛びついて 木の実のような音がした 少し笑って寂しくなって 蝉の恋慕を思い出す 愛のために生きる蝉と うまくは生きれない私 私は蝉が羨ましい 私は恋が羨ましい 耳を塞いでしまっても まだまだ汚れは拭えなくて 口を噤んでしまっても まだまだ穢れ…

私は貴方を追いかけて 森に迷い込んでしまいました 貴方は憚らずに友達を得て 私は替わりに帰り道を亡くしました 「貴方は笑って戯れる 小鳥や鹿や虫たちと 貴方の手は伸び枝になる 貴方の目は閉じ月になる」 貴方の木陰で揺れながら 私は片腕の狩人になりま…

悲しい事がありました 其れの多くは語られません だから僕はひっそりと 詩篇に纏めて抱くのです 悲しい事がありました 誰彼構わず悼んでいます 喪服を羽織って手を閉じて 俯き終わりを待つのです 悲しい事がありました 貴方は知らない真似をします その気丈…

夏の発熱にマイった途中 肌を休める風にて意識する 「普遍さに脅かされたこの僕は 不用意に数々の自身を殺戮した」と そこからついぞ転落している 見よう見まねで怠惰している 頭の調子の悪い時には 息を殺してふすまを閉じる 足元に絡みつく埃たちでは よっ…

僕は死にます 僕は爆弾ですから 必ず殺してしまえれば きっとそれが約束です 喉を衝き刺す炭酸が 時々僕を思い出します 彼は嘘吐きでしたから 仕様のないこともありました 僕を死にます 僕は忌憚ですから 無用な意味が悲しいと いつか殲滅に求められます 肩…

宇宙の傍のポケットは とても大きくブカッコで グルグルしている私はね ちょっと遊んでいくんです 宇宙の空に浮かんでる 魚は心がないらしい 星座に遊んだ私には そんな魚が羨ましい 宇宙が足元広がるばかりで 私は呼吸をしています 手すりを上って息吐いて …

探偵の愛を 一身に受けて 犯人は変異 辻褄が合う いかなる密室であろうとも いかなる凶器を用いても いかなる動機をもってしても まだ足りないと泣き喚く 殺害の夢に 血しぶき浴びて 悪意は怪奇 意味を失う どれだけ解答をあわせても どれだけトリックを築い…

貴方を殺すと言う僕は 不実に満ちて笑うのだ 辛い事があったのと 貴方は知らない風に言う 貴方を守ると言う僕は 透き通る手を手にしてる 悪い事があったのと 貴方は気丈な真似をする 貴方といるよと言う僕は 最後に胸が張り裂けた 悲しい事があったのと 貴方…

夢見がちなわたくしは 思考の檻に閉ざされたまま 瑣末な肉に宿る 反逆心を食い縛っている 美しき少女はわたくしを離れ 赤い粒となり拡散される わたくしに残ったこの感傷を 安価に映画ナドに売り渡す 空が高く、落ちてしまいそう それでも少女が忘れられぬ …

天国へ行きたいと 夢にまで見ると 生きている事がその証明だと 貴方は何度も呟きます 僕は答えません 神様とさよならの合図を決めてしまう夜に 大きな声を出した気がしただけで 怖いことなんてないと 死んでしまったと もう傷つかずに笑っていると 貴方は不…

嬉しい その気持ち 声が枯れて 肌も溶けて 骨も露わで その気持ち 楽しい その想い 意味を失い 恋を忘れて 雨も敗れて その想い この刹那的な貴方の存在を 断片的に僕は抱きしめる ワンピースが風にゆれ 蒲公英みたいにチラヂラに 嬉しい 生命が根絶し 残っ…

また癇癪の朝がやってきて 一人きりで食器の割れる音をする 苦しくないニュースを探しています テレビジョンは誰かに正直で 思い出すのは空を飛ぶ夢 それはつまり落ちる夢 切り裂かれた悲鳴の夢 最期はいつも同じ場所 兎は皮を剥がれて跳ねて 血抜きのされた…

人殺しの方法を 誰か僕に教えてください 幾ら刺しても、嬲っても 彼女は死なずにいるのです 皮膚を剥がし赤い筋 八重歯でなぞってみるのです 歯垢と共に血液が 敗血症だと言うのです 僕の体は大人しく 彼女を殺すと聞こえます その死体を見とめれば 怖い気持…

また信仰のない朝が来て 光弾ける夢を見てしまったので 死体になった僕の事 誰も泣いてはくれません いつも文学は分からないままで いつも命は綺麗だと言われ 其れでも僕は死体になって 優しい詩びとの肉を喰らいます ほら、よく燃えております 繰り返し僕を…

彼女の嘆願が耳に残る 私の左目が泣いている どうしてこんな事になってしまったの 私は時々記憶喪失 蹴り蹴り殺した黒猫の 脳漿が明るく、私の姿を映してみせる 自分の叫び声で我に返っては 右腕はとても使い物にならないと知る 呼吸が足りずに苦しくて 貧血…

消灯時間に なりました 黒目の花が 散りました 怒鳴った声が 聞こえます 貴方の事が 嫌いです 命短く 知る乙女 気分がとても 悪いです 眩暈も少し いたします 殺してくれと 言われます 夢にまで見た キチガイに 密室暗転 何処ですか? 遠くでタップが 踏まれ…

毒という名の時間には 僕は随分と頭の色をもぎ取られたけれど 咎められる自意識に 涙ぐむしかできなかったのです 命という名の時間には 僕は幾許か精神の発散を許され得られました 産み落としうる神様に 涙ぐむしかできなかったのです 奇跡という名の時間に…

哀愁というものが、 撫でる猫が、優しい 何処かの夜目の彼女は 如何せん、目には映らない 心臓というものが、 色の傷跡が、優しい 手首に走る思惑の彼は 如何せん、耳には聞こえない わたくしは生きる死人であり わたくしは消える死体である わたくしにはた…

不躾な命を持つ僕へ 今、思われる言葉には 今、触れられた言葉には 天使が悪鬼が食い破ります 毀損された僕などが ただぷかぷかと漂うだけで ドンガラドウの体など 何の事実がありましょう 悲しいことに無人です 僕は密やかに無人です 忌まれな姿を持つ僕へ …

静物の、命は きっとさぞ冷たいのでしょうから どうか指先を辛く冷やさぬように わたしを傍に居てください 血液の、刻みは 途方も、途方もなく遠いでしょうから 赤く握り締める事など叶えずに わたしを我が侭に馳せてください 奇特な貴方に つまりは恋などと…

わたしは此れでもうズット 笑うことなどないでしょう 錠剤は欺瞞だと そっと唇になぞります わたしのこの足というものに 願って運ぶ器官の名を奪い ただ、口ずさむ真似をします 「また縛り付けるもの ただ結びつけるもの」 ツルギを携えし詩人には もう声な…

祈る言葉数 熱を声帯と類似し 色めくは小人たち 僕の頭の穴の中 沈む、止まる声 ただ耽るのを恐れている すぐ見抜くのを恐れている 恐れている、恐れている 願う振動体 其れは病魔に類似す 紅染めたあの少女 僕の知らない傷の星 沈む、痛む月 気が触れるのを…

腕の傷跡は黄道に溶けて 傷つかない爪先だけで立つ 僕には幾千もの人を亡くす記憶があり いつかの犬が欠伸で夢をボヤク テレフォンの電波が身代わりになる 恋知らずが口の中を痛めてしまう 頭の中の宇宙はきっと僕に優しい 叶わないものはキラキラしてキレイ…