ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

不毛な言葉は息を止め すっかり様子を窺っている いつしか僕に復讐するまで しかし。でも。それから。まだ。なのに。 神の子供は憐れんで 僕に色彩と実感を与えたが 透明な血液は煮えたぎるばかりに しかし。でも。それから。まだ。なのに。 解放は僕を不自…

貴方は風に成りたいと言って 僕を掴む頼りない腕をそっと離した 少しずつ小さくなっていく貴方に 僕の死に急ぐスピードは待ってはくれない 最後の街は海沿いにあって 加速度を増して幸福を通り抜ける 地獄は地獄で大変なのだろうけど 其処は僕にプライドと罰…

死別を幸せと呼ばないで 貴方のポケットのクッキーは 全て砕けてしまったのに そんな言葉に縋るなんて 失った半身を愛でるのは きっと地獄の呼び水だから 貴方が何処かへ行くような そんな予感に怯えているの 貴方の両手を温めるような 貴方の想いを忍ばせる…

毒を口に含む蛇が好きだ 少年と薔薇を結び付けて 役立たずたちに沈黙を求め 何より自らを正すのだから 毒を持たずとも彼らは偉大だ その摩擦係数が喪失した躰で 常識じみた触れ合いを促し 静かに殺していくのだから 彼らに無駄など一切ない 時には絶望を亡き…

僕は暗闇にいるよ 貴方の悔し涙で海が出来て 魚に成れず溺れてしまったら 貴方の為に泡と消えたいから 僕は暗闇にいるよ 貴方が関係に裏切られて 部屋の電気を消してしまったら 貴方の為に命を囁きたいから 僕は暗闇にいるよ 貴方が乱暴な恋をして 望まない…

貴方の心は助からない 死の階段は理想より緩く 掛ける言葉は誰かの受け売り だから貴方は手を止める 貴方の心は助からない 温もりは感情を乱すだけ 吐息は優しい殺人鬼 だから貴方は歯を齧る 貴方の心は助からない 正しさは過ぎれば暴力で 祈りは不幸を証明…

迫害された運命に 抗うことを強要されて 熾烈を極める命の果てで 今夜僕らは逃避行を選ぶ 家出少女の宿命論を 今こそノオで切り刻む ラブホ通いのオジサンに 純潔を与えぬその純潔 僕らはその手を離さずに どの惑星まで行けるのか 試してみたくて涙の声に 思…

第一理科室で劇薬の産湯に 赤子を浮かべるその母性が 少女を母へと変えました 良くも悪くも、良くも悪くも 人を騙して気を晴らし 人を殴って気を晴らし 人を信じて気は晴れぬ 良くも悪くも、良くも悪くも 縦横無尽に駆け巡る 躊躇い傷の魔法陣 悪魔が僕らに…

たまには四行詩でないものも。

貴方様を想いますと 温もりや囁きやその視線に 心が壊死をし始めるのです 貴方様を想いますと 哲学や感性やその傷跡に 心が赤い嘔吐を繰り返すのです 貴方様が想いますのは 社会や文学やその深淵で わたくしは雨の中に秘密を隠し通すのです 貴方様が想います…

僕の狡さは 被害者の為にある 僕の悪さは 犠牲者の為にある 他人の不幸を知らないままに 僕を謳った讃美歌を 幼き子供に叩き込んだ後に 赦しを請うのが最近の日課 僕の醜さは 共犯者の為にある 僕の愚かさは 視聴者の為にある 僕の人生を教えぬままに 誰かが…

夏の暑さが好きなんて 文学ではないと君が笑う 冬の寒さがもたらす愛を 求めないのは文盲なのだと 平行植物に彩られた 僕の目視する七月に 夏は偉大だと語った詩人の 骸骨が健気に祈ってる あらゆる物を盗んだ僕は 脳髄に冷たい汗をかく 罪悪は眠りに疎外さ…

テレフォンの吐息が熱っぽく 貴方の潤みを伝えてく 僕らは確かに交感し続けたが 其処に貴方の証明は在るのか 完璧なまでに美しくあろうとして 手首も足首も躊躇わず切り落とす それに思わず喉を鳴らした僕を睨んで 私はもっと自由が良いと言う 血塗れになっ…

大輔君や浩平君が 僕の頭をはたいたのは 僕の笑い方が気持ち悪すぎて 目覚まし時計みたいに止めたかったからだ 良子ちゃんや杏ちゃんが 僕の机を触るのを嫌がったのは 僕の病気は洗っても落ちないから 自分が死んでしまうのを恐れたからだ お母さんとお父さ…

言葉は瞬間性を無視し 発酵した意味を匂わせる 感性と言う名の色彩を使い 塗り潰す事で成立する貴方 詩才とはつまり翼であり 何ものも縛らぬと言う約束である 矛盾した正解こそが求められ 結果的に人は多く死んでいく 詩利詩欲に塗れた僕は 人を殺す程の文体…

愛なる輪郭を指でなぞって 呼吸を整え、やっと唱える 「知ることは死ぬことです」 「ならば僕は死にましょう」 二つの楕円と一つの三角 色は恐らく血のような赤 重さは21gと恐ろしく軽く 腕を回せる程には収まりがよい 死んでいく、死んでいく、 僕が、貴方…

丁度の良い星の欠片を探して 月の浜辺で目を凝らす 器用に浮かんだ重歯目が 残らず齧ってしまう前にと 墓標が似合いすぎるこの場所で 僕の為だけに穴を掘る だけど埋める人はいないから 僕は天国には行けそうにない 青木星生さんの懐かしく 旅立つ僕に雨を降…

お前なんか死ねばいい それが戦争の合図でした 理論武装とビニール傘 臨戦態勢の汚れたハンカチ 薬莢の代わりの暴論で 罪なき卑怯者を撃ち抜いて 聖者の行進の障碍者たちに 紛れて痛みさえ誤魔化して セーラー服の返り血は 少女の最後の悪足掻き 人を殺すよ…

神様は僕に二つもの瞳を与えた 曰く見たくないものをより多く見せる為に それでも僕はその洗礼を感謝した 何故なら過ぎ去る情景の寂しさが胸を打つから 神様は僕に一つだけの口を与えた 曰く二つもあると世の孤独を知れないから それでも僕はその洗礼を感謝…