ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

あの娘の祈りは闇の中 悪魔気取りの生贄ごっこ 漂流したのは彼女の右腕 僕は抱き寄せ耳を澄ませる 全ては自殺に追い込むような 現実たちに悪ぶっているのね その右腕が宙を掴んで 引き潮に還りたいと泣いている 僕の祈りを聴いてほしい 天才と言う言葉に騙さ…

ナイフを首筋に添えた少女が 私は死ぬと予言した 僕は本当に死ぬのか考え その確率を電卓で数えた いつの間にか生首になった少女を 冷蔵庫に仕舞う事にして 代わりに良く冷えたソーダ水を 喉に流して計算を続ける ああ、確率とは厄介だ もう何も信じられなく…

点滅する舞台照明の下 僕は随分と演じてきた それは群衆を笑わせ 時に臆病者を驚かせ 暫くは貴方を泣かせた この頃は怒号が響く劇場で 観客の安心感を焦らしている 空っぽの脚本の中からは 考え付かない法螺を吹いて 儚さは何故美しい 張り子の樹木が呟いた …

花は言葉が芽吹いた宝石 その造形に意味を求めて 町の花屋が密売してる 枯れない花が庭を賑わす 愛の言葉。愛の言葉。 伝達は思ったより遅く 言い残した。言い残した。 死に際に全てが散りぬれど 百合が秋桜、薔薇になり 紫蘭が朝顔、彼岸花 向日葵みたいな…

燃えないガソリン 浴びて 浴びて 浴びて 気が済むには まだ理由が足りない 火を点けた煙草 コンロを捻って 空地の枯れ葉たち 貴方の心の部分 ストーブの蜜柑 墓場の赤リン マッチポンプ 貴方の心の部分 燃える匂いが 僕を満足させる 燃える粘度が 僕を奮い立…

脳みそが怒鳴ってる 僕に手をあげる 横腹を蹴る 何度も何度も頬を打つ 手のひらは血に染まる 倒れ込む床は冷たい 僕の笑い声が他人を演じる 全ての否定 全ての不安 それが愛だと嘯く輩 ケミカルな涙 癖になって暫く 生きる事の理由にさえ そんな話を持ち込む…

キスをされると疲れてしまうの 貴方の愛は鎖のようだわ 重さで繋いで音を鳴らして 私たちは時々それを自慢して 愚かで惨めで苦しいわ 不気味で痛くて退屈ね 抱きしめるなんて原始な営み 貴方の愛を証明してよ 痺れて震える仕組みにしてよ 私たちは流川の家な…

モンシロチョウに 伝えておくれ 夢からすぐに 醒めて欲しいと 儚い羽を震わせて 壊れる音も立てないで 磔になった理科室で 詩人の夢を見てるなら 貴方の羽ばたきで 世界は終わる 極小の終焉兵器 酸素たちの暴力 大気が包む優しさの その核心をすぐさま見抜き…

言葉はさよならだけだから 此処は等しく鳴り止まなくて それからの僕らは繰り返し その言葉の有意性や その言葉の利便性に 脳髄の刃で傷ついている それでも僕らは傷つくことを 求めて焦がれて知るべきなのだ 手紙で別れを切実に 詩編をしたため柔らかに 最…

青春というものに憧れて 僕一人では心許ないので 学生通りにナイフを持って 震える草片を狩りに行く 悲鳴をあげる痩せすぎの白葱 怒声で暴れる背の高い大根 ちょろちょろ逃げる可愛い鷹の爪 そして本命のお洒落な胡瓜たち 綺麗に乱切りができない僕でも 指先…

たいせつなひとをまもるため わたしはこれからさべつをするよ しぬのならばあなたいがいの こころいたまぬだれかがいい しるのならばあなたのふくんだ もうしわけていどのあいがいい あいすべきあなたのおもかげに わたしはけんそんするんだよ つきはあかり…

屍骸の前で問い掛ける 本当に死んでいるのかと 温もりは嘘に変わるのか その魂をどう解釈すればいい 生と死をどう区別する 意識は本当に潰えたか 亡骸は僕に何を遺す その瞳の先に何がある 誰かの諦めを抱いたのか 何処の何が違うのか 死とは信用に足るもの…

砂になった殺意に 指先で落書きする ざらつく欠片に 赤く濡れる詩編 本当の夢は 昼間の横断歩道 全ては幻 蜃気楼の痛み 恵まれたものが 踏み外せと願い よろめき歩くは それ以外の路地裏 穴の空いた砂時計 既視感のある太陽 僕は僕のあだびと 言葉はいつもさ…

胸の地底が 無暗に熱くなったなら 声の色味が 無暗に湿り出したなら 貴方を探しに出かけます きっとそれは運命的で 鉄で出来た好奇心一つで 宇宙の果てまでUFOジャック そして僕の剥き出しの魂が 貴方の青に染色される 希望の色だと 僕らは笑った 「宇宙を飛…

根暗なテレビは呟いた 私はしょせん広告装置で 無垢な人々を騙す仕事を 誇りもないまま続けていると 僕はテレビが嫌いだから あれを見ると馬鹿になるから 毒電波に洗脳されるのだから そのプラグを牛乳に浸してやるのだ (アア、それで毒素が抜けると言いま…