ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

革命の回路を 内在した君よ 善悪は淋しく 掌編で灼ける 演劇で死んだ 詩人の現実に 哲学も白けて 時が牙を剥く 天秤の定理を 盲信した君よ 躁鬱は烈しく 論証で富める 公園で抱いた 玩具の幸福に 本能も薄めて 罪が星を編む 「抗える児」

義眼の裏で 溺れる母親 届かぬ指が 暴悪を掴む 仔猫は匣で 正義を唱え 三途の沼に 詠って沈む 麻酔の味で 悶える愛人 拒まぬ喉が 宵闇を呻く 生花は月で 朝陽を忘れ 讃美の毒に 想って靡く 「切なる娘」

昼の子守唄が 韓語で訛れば 隔絶的な僕は 夢に人を殺す 学問は荷物だ 芯を知る程に 睡魔は散漫し 沈黙が乱れる 雨の通勤路が 地獄で曲れば 平行線な君は 傘に肉を恵む 恋愛は煙草だ 欲を去る儘に 名残は永別し 猛毒が重なる 「形骸国花」

水星に往く 帰れぬ街は 信号で溢れ 僕を禁じた 文学は死す 韻の亀裂が 海を騒がせ 焚書で悼む 雪道に吐く 踊れぬ鬼は 哀憐で暴れ 僕を演じた 元凶は魅す 盲の至福が 翅を紡がせ 悪夢で否む 「脳病」

冷凍庫が詠む 南極の詩篇で 貧困な小魚は 鯨に自殺する 永遠さえ描き 延命を統べて 沈黙が美徳な 氷点下の死神 洗濯機が泣く 初恋の予感で 熱情な生娘は 嵐に研磨する 曇天さえ憎み 色物を混ぜて 騒音が気鬱な 石鹸玉の聖人 「電流の自覚」

失恋の底で 玉葱を刻む 清潔な音に 魂が融ける 古い毛布は 名残が薫り 窓を閉めて 初雪に祈る 背信の淵で 仏壇を拝む 散漫な熱に 幻が負ける 永い歴史は 私欲が宿り 縄を絞めて 桜木に実る 「幸子の陰」

初恋の林檎に 毒蛇は祈った 聖なる切望が 罪悪を重ねど 甘露な感性は 運命に背いて 貧しい大地で 寵愛を萌やす 痛覚の孤独に 神様は惑った 真なる永遠が 静謐を与えど 不遇な天啓は 幸福に嘆いて 等しい讃美で 哀情を満たす 「エデン」

夜の谷底で 遭難した恋 災厄みたく 理屈が痛む 正しい枷も 心を救えず 不幸な熱は 朝露に滅ぶ 夢の先端で 錬金した罰 生命みたく 善意が穢す 親しい嘘も 瞳を保てず 一途な肉は 残影に騒ぐ 「失楽園の街」

言葉の陣痛で 落日する詩人 生きた残骸は 美学に溺れる 脊髄を砕けば 温厚な路地裏 紡げぬ僕さえ 善が祝福する 甘露の感性で 詠唱する愛児 満ちた憧憬は 白紙に捧げる 恋文を怨めど 寛大な十六夜 至れぬ僕さえ 韻が氾濫する 「不随な魂」

深い侮蔑に 言葉が踊る 絶望の声で 交響する心 鍋で炒めた 憂世の道理 僕は臓物を 文学に磨く 重い短詩に 悪夢が燈る 落日の色で 反転する泪 毒で浄めた 美感の手枷 僕は音韻を 病巣に抱く 「詠む残痕」

雷光の記憶が 両翼を毟って 冷たい植物は 無残に黙った 歪んだ若枝は 理由を求めて 天空の野心が 切実に犯した 亡骸の夢想が 完熟を悟って 重たい老鳥は 不屈に祈った 刻んだ慟哭は 予言を宿して 年輪の悲愴が 丁寧に深めた 「詩の畸型」

夜の余韻が 舌で蕩けて 淡い生花に 理由を鎖す 星が語った 美神の嘘は 結べぬ恋を 冷酷に編む 雨の思想が 肌で砕けて 熱い音色に 季節を離す 蛆が護った 屍骸の国は 滅べぬ露を 切実に富む 「甘い銃弾」

星の環状線は 嘘を祝福して 愚盲な詩人に 聖く暗示する 褪せた空想を 懐古した闇で 少女の名残が 鮮やかに薫る 花の運命論は 神を断絶して 美談な秘密に 永く依存する 痩せた首筋を 自罰した恋で 悲愴の善意が 穏やかに腐る 「メロディ」

雨の暗喩を 信ずる僕は 雪に救われ 凍土で睡る 言葉が痺れ 忘れた恋に 体温の下で 泪は流れる 窓の思考を 論ずる君は 月に呪われ 夜風で軋る 希望が暴れ 穢れた嘘に 遠景の許で 病は捩れる 「命の台詞」

神経病な街で 不発弾は嘆く 核分裂の夢が 深く淋しくて 讃美に怒れば 灼熱は磨かれ 正しい炎煙で 脳裏を彩った 心配性な雨で 彼岸花は恵む 氷砂糖の嘘が 永く愛しくて 甘露に祈れば 終焉は刻まれ 等しい痛覚で 昨日を葬った 「希薄戦線」

裸の受難が 支配する匣 乏しい僕は 口笛を鳴く 甘い洗脳で 深爪をして 素敵な罪が 疫病に還る 茜の艶美が 自害する線 烈しい君は 神学を裂く 硬い心根で 散骨をして 不吉な熱が 追憶に交る 「終末の胎」

冬の向日葵は 寵愛を縒らず 孤高な色彩で 密やかに咲く 深雪は黙って 句読点に宿す 予言した命が 淡い夢を病む 朝の牡牛座は 憂愁を刈らず 神秘な幻覚で 鮮やかに点く 青空は惑って 鎮魂歌に乱す 換気した心が 聖い悪を食む 「氷る美景」

人肉の味に 部族は祈る 詠で殺した 個性を鎖し 深い共有は 混成に至り 自動な罪を 空腹で悟る 暴力の恋に 売女は罹る 膣で捜した 苦痛を肥し 強い独善は 存在に触り 非道な傷を 演算で語る 「モダン」

満月も嘆いた 数奇な憂世に 天使は夢精し 下着を浄める 空箱を廻って 切実に求めど 善悪は嘘吐き 夜露の見逃し 肋骨も暴いた 不正な叡智に 奴隷は奉仕し 因果を殺める 祝福を毟って 硬骨に否めど 原罪は端書き 理想の仕返し 「バベル」

哀しい泥に 穢れた僕は 温厚な罪を 巧く演じた 歳月が囁き 赦された街 堕落に怯え 悪夢を焚く 淋しい雪に 紛れた君は 崇高な毒を 強く信じた 彗星が瞬き 殺された空 詩想に喩え 美神を惹く 「濡れた音色」

剥いた林檎を 齧りもせずに 君はベッドで 完成している 弱音の絵具は 小壜に溜めて 僕が忌む神を 聖い色で視る 欠けた硝子を 想いもせずに 僕はカルマで 復讐している 名残の臓腑は 月下に秘めて 君が蒔く熱を 永い雨で知る 「被虐の恋文」

月蝕に死ぬ 静謐な馬は 君の戒律を 身籠り哮る 崇高な穴は 憤怒に黙り 毟る神経が 欲望を煮る 楽園に富む 鮮烈な花は 僕の完結を 裏切り還る 正善な肉は 破滅に縋り 実る悪虐が 才覚を塗る 「生傷本能」

戦艦が燃える 僕は旗を振る 大洋で祈った 愛国の蜃気楼 児を生す儘に 大人と信ずる 因果の包丁で 心臓は恐れる 兵隊が死ぬる 僕は神を視る 銃撃で弾けた 英雄の不純物 世を忌む故に 孤独と交わる 飽和の代償で 本性は歪める 「平和な痛覚」

起源の旅は 自在な心で 宇宙と空に 境界を描く 星は無言で 芸術に至り 熱量を宿す 永劫の銀河 慈愛の肉は 偉大な絆で 名残と花に 恩恵を招く 人は狭間で 追憶に祈り 万物を癒す 天国の器官 「救済論」

襟肩に生える 虚空の証明で 楽園を離れて 罪と交差する 恋する無知は 菜の花を毟る 雲が流されて 月に遠慮する 雨音に満ちる 正気の敗血で 静謐を乱して 嘘と自殺する 呈する齟齬は 死の色を騙る 時が遺されて 神に妥協する 「青翅狂」

雑巾の味に 青春を悟る 僕は祈った 退屈で死せ 密告者こそ 悪に怯える 神の麻酔で 君は薄れた 菌類の罰に 観劇を迫る 僕は縋った 膣外で出せ 合言葉こそ 善に違える 生の数字で 君は毀れた 「ヤンチャ」

どうして君は 色が実る前に 綺麗を悔んで 子宮で稼ぐの 童貞の祈りは 命に痛いから 偶像を纏って 深く飛込むの それでも君は 春が廻る為に 乳房を掴んで 必死で喘ぐの 愛液の薫りは 泪に近いから 体温を洗って 強く微笑むの 「無修正聖書」

麦酒の缶を 重ねた森で 僕は迷って 空白になる 悪い酩酊で 詩性を濁し 錠剤の嘘に 安心してる 煙草の灰を 信じた罪で 君は狂って 音韻になる 聖い絶望で 不幸を犯し 死神の声に 感銘してる 「温い怠惰」

唾液で混ざる 碧い抗鬱剤に 君の味が残り 嬉しかったよ 倒錯した恋は 自殺で散るね 真夏の亡霊に 淡く遠慮して 花火で終わる 脆い幸福論に 君の声が罹り 眩しかったよ 鎮魂した嘘は 空虚で縒るね 浅瀬の惜別に 遠く破滅して 「葵の泪」

皺の数だけ 苦悩を嗜み 鮮明に咲く 叶わぬ初恋 時が忘れた 君の残り香 遠い歴史を 悼んで睡る 罪の骨まで 慈愛を苛み 陽炎に泣く 想わぬ霊魂 枷が外れた 僕の宿り木 古い逢瀬を 結んで廻る 「老害蝶々」