ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ミスリルの小瓶に 精液を満たし 学校の教室の 陽の当たる場所に置く 僕が居なくても 気づかれないように 僕が傷ついても 忘れてしまうように 同級生は騒ぐ 先生は怒鳴ってる お前は勝手に死ねと 帰りの会の議題に上る 僕に花は似合わないから 死ぬ価値を倦ね…

僕を騙して 一片もない 真実と 不安のない 営みで 幸福の詐欺師 優しい嘘吐き 言葉に脳が浸り 観測は正しくなる 僕を殺して 一切もない 愛憎と 実感のない 結末で 博愛の殺人鬼 慈しむ気違い 穴だらけの胸に 共鳴の微熱が宿る 「プラス」

私は貴方を許さないから 貴方は自分を許して欲しい レシート、色紙、音楽帳 文字はピカソの絵画の如く 私は貴方を愛さないから 貴方は自分を愛して欲しい 電燈、毛布、黒い内臓 熱はジッポを隠した懐 私は貴方を捜さないから 貴方は自分を見つけて欲しい 街…

この裏庭を掘り起こして 僕の墓を暴くのは誰? 金魚と一緒に埋めたから 墓標はそのまま残して欲しい 父と母の確実性の中で 僕は幸せも不幸せにできる だけど才能を認めるたびに 何だかとても影を捜した 麻薬も信仰もない国で 顎を噛まずに生活したよ そして…

Aは勤勉だった 悪意に気づかず 善意に手を振り 自己愛を正した しかし世間では 狡猾が愛され 不誠実に笑い 無知が祝福された Aは目を殺して 常識を廃棄する Aは手を汚して 運命を掻き回す 子宮の闇を破って 裸のままで海を泳ぐ Aが湛える笑顔は 死刑前夜の色…

罪咎は血を流し 街を真っ赤に 海原を真っ赤に 星を真っ赤に 僕らのA.T.Feは 親を守れない 味方を守れない 人を守れない 輪廻する世界を 信じる瀬戸際で観る 次の世界こそが 正しいという根拠は 天使は舞い降りて 愛を悪と呼び 心胸を悪と知り 僕を悪と下す …

柔らかい僕は 甲殻に覆われる 茹でられたなら 赤面するかな 白い肉を隠して 偽悪的にいるの お腹を開いたら 案外単純だったり 貴方のフォークに 僕の心は釘付け 綺麗に切り分けて 痛いのがいいのよ この殻を剥がして 白い肉に齧り付く 貴方が死ぬ程好きよ た…

親を殺して 帰る場所無し 国を見捨てて ただ遣る瀬無し 友を騙して 生きる訳無し 愛を疑い まだ人で無し 月を隠して 安寧も無し 星を憎んで 日々休み無し 僕は血を吐き 生きる糧無し 懺悔至りて 地獄他無し 「貪欲な喪失」

栞紐をしたら 僕は死んでいいです 端っこを折れば 僕は忘れていいです 鉛筆で書き殴る 第三者の見解 赤線を重ねてる 第三者の関心 頁を破ったら 残さず食べて下さい 表紙を燃やして その暖を取って下さい 活字がなぞられる 僕の為の独白 行間に惹かれてく 僕…

僕の運命は 螺旋を描く 貴方の輪とは 結ばれないまま 何度生まれて 何度死んだか 貴方を想う 本性一つで 必ず掴めず 僕は実らない 貴方は遠くの 喧騒の中へ それが幸せだと 今頃気づいたよ 何度も恋をして その都度愛を観て 「螺旋の片想い」

ノアの標本に選ばれず 善い終末が押し寄せる 僕らは肩組み、唄唄う それは自作の鎮魂歌 海の壁が地を奪う 空飛ぶ鳥は知らぬ顔 見捨てた神も神ならば 僕らは繁栄の捧げ物 僕の隣にいる人が 一人一人と消えていく 家族、友人、恋人へ 次第に想いは隠せずに 大…

酷い悪夢を観た朝は その正体が掴めずに ただ幸いな浮世だけ 僕に捨てろと責め立てる 永遠に続く地獄では 貴方が僕を待っている 刹那に終わる要には 貴方が僕に手を伸ばす 忘れて、笑って、恋をして 僕は平気で生きるのかしら 妄想、空想、気の迷い そう済ま…

僕は貴方の お腹で眠る 羊水飲んで 胎盤食べて 処女な貴方の 聖なる僕は 胎内蹴飛ばし 子宮を覗く 今、貴方が恋をする その実直な青年も 僕の顔を見たのなら もう全てがお仕舞いだ 貴方は僕の 初恋でした 完全なる愛 その幸せよ 「棲みつく」

青い旅人 訪れたなら 草木は枯れて 心が病める ラッパを吹くと 子供が死んだ 太鼓を叩けば 魔物になった 人はいつしか 青を恐れた 世界はこんなに 残酷なのか 青い旅人 村から去ると 野原に咲くは 三輪の墓 「青い旅人」

古びた悲しみのワルツが 僕の孤独を微かに撫でる 恋人よ、今は何処で 誰と明日を探しているの 三拍の吐息に揺られては 想いもほどけていくけれど 恋人よ、この僕こそが 一番の愛だと信じていたよ 甘い音楽で痛む虫歯が 唐突に僕を弱くしていく 恋人よ、人は…

鮮やかな痛みに 色相の混濁を幻視して 辛うじて握った 刃に今日も復讐される 背中から生えるのは 天使の翼、金属の羽根 電信柱の恋慕にも 罰を与える義務を持つ 壊れない僕には 主治医の言葉も鎖のよう 苦しみながら死ね 不意に痛みが欲しくなる 鉄の天使よ…

理解の外にある 白く濡れ帯びた花 僕は傷ついたと言い 視野の光は狭くなる 嘘は僕のものだから 見破る人が必要だ 僕は傷ついたと言い 台詞が重なり遺失する 敗北の味の果実を 齧る歯型が愛おしい 僕は傷ついたと言い 蟲が群がり巣を作る 大切な人もいたんだ …

神様は 季節外れな君と 期待外れな僕を 戯れで作っては 苦しんでる姿を 笑っているのだ 赤い涙は 制服を汚してく 青い顔で 手首を傷つける 君の言葉が大好きだ ズレた気持ちは優しくて 僕を許してくれるかな 失望の目には慣れないよ 神様に 秘密だらけな僕ら…

割れた鏡は全てを映す 僕に勇気があるのなら 恐れることは何もない ただ血塗れの鏡の世界 世界を細分化する為に 僕は何度も拳を打った 割れる度に世界は分れ 透明な孤独が溢れ出す あの娘は朝に早く起き ミルクを三杯飲みました 朝は容赦無く朝だから 動く喉…

虐められても 死なれても 恋を奪われても 我慢はできた 独りきりでも 笑われても 否定されても 耐えてきたのよ 貴方が僕を弱くした 貴方が僕を人にした 本当の美しさなど 知りたくはなかったよ 脆くなった核に触れ 惨めな愛を隠している 「僕が負けた日」

盲目な愛を 狂信する愚かさが 何より愛おしく 貴方を縁取っている 僕は鍵盤を叩こう 不協和に自我を持つ この合図らを知ったなら 貴方は窓から手を伸ばす 聾なる愛を 崇拝する拙さが 何より愛らしく 貴方に気付かされる 僕は挿絵を描こう 不明瞭に思慕を持つ…

鳥とは遠き性分に 青い空には嫌われた 僕は羽虫、今日もまた 蛍光灯に息漏らす 僕の群衆が闇になり 星を覆えば孤独だろ 僕は羽虫、命すら 好手の為の布石なり 啄む鳥の美しき 白々しさを侮蔑した 僕は羽虫、生きるには 幾つか害意も必要だ 汚れた羽を震わせ…

この身の死さえ 代償になら丁度いい 傷つく日々さえ 全て与えたのならば 貴方は不感症 多情な僕を許してよ 貴方は優等生 優し過ぎる別れの声 神様の乱れ髪 骨が抜けそうな口づけ 神様の叫び声 まだ賛美歌と信じる人々 拍動を感じない 僕はいつからそうだった…

馬と豚とがキスしてる 僕は手首を刻んでいる 老父の顔の少女が睨む 僕は薬を貪っている 花で囲んだ教室がある 僕は奥歯を噛み砕いている 巨大な子供が親を犯す 僕は巫病に魘されている 世界は不幸を求めている 笑えない冗談が溢れている 世界は敗者を求めて…

天使は外にいる 部屋や意識や視野の外 暗闇に浸る夜中だけ 愛や夢や正義を許してる 天使は外にいる 死兵の怒りに触れてから 廃人の焦りに触れてから より美しくなっていく 天使は外にいる 世界の殻に手を宛てがえば 懲罰の飴を口で転がす 或いは見晴らしの良…

蛹のまま死ぬほうが きっと幸いだったのに 脈打つ悪意を秘めたまま 焚き火の中へと捨てて欲しい 僕が広げた背中の羽は 何より美しすぎたから 世界の視野をも魅了して ただ死の定めをばら撒いた はい、僕は敗北者です はい、僕は落下物です はい、僕は加害者…

神は罰するか 僕の紛い物 傷痕、ワルツ 処女の読書癖 神は罰するか 僕の不毛な日 鍵盤、吃り 彼らの裏稼業 神は罰するか 僕の不文律 胎内、明媚 貴方の純潔さ 神は罰するか 僕の翳す罪 泣き虫、卑俗 自身の正当性 「神は罰するか」

女子校生たちが 脱いだ制服の数だけの 赤いスカートたちで この街は賑わっている 紅を引いた白い子宮に そっと瞼を閉じたなら 胎内で疼く信号を解き 喧騒の中の君を見つけよう 赤に染まりきれば 秘密は自然と穢れてく 赤を知っただけでも 先生たちは許してく…

泣き虫な朝は 陽射しに焦げていく 夢を忘れる為に 繕え、繕え、と唱える 憂鬱な午後を 怒鳴る人がいる 僕は恐ろしくて 笑え、笑え、と唱える 後悔の夜の 責任は誰もとらない 死んでいく心に 繕え、繕え、と唱える 僕は不幸せの その後の嘘だった 泣くのは馬…

蝉は地獄で 鳴いている 犯した罪の その告発に かの鳴き声は頭に響く 地獄と現実の境界線で 僕の躰を 探し当て 全ての穴を 喰い進む 僕という名の膜を破らず 最適な罪を住処と居着く ――出口はないぞ ――中は温いぞ ――鳴こうぞ鳴くぞ ――此処も地獄だ 告発に群…