ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

優しさが過ぎて 胎児を拒絶する 非力な思想に 愛は育たない 自己犠牲と それ以外の区別を 惑っている 疑っている 二度と逢えない事は 確かに知っていたから 熱を帯びた挨拶は いつか僕を見捨てる 傷痕に躊躇わないのが 嗜虐的で正しい恋だ 臆病な僕は 壁越し…

月光が照らす泥沼は その灯火を吸い込んで 地中深くの煉獄で 深海魚を飼っている 時折落ちてくる人間の 泪や言葉や罪悪を 全てそのまま飲み込んで 魚に餌とし与えてる その泥沼で裸になって 泳ぐ少女と少年の 目に映るのは幻の海 あの日無くした海岸線 少女…

心象言語が聴こえてる 遠くて近い頭の中で 音を介さず色も認めず 眠れるような暗闇の中 もっと傷つくべきだと その魂を引き剥がせと 何一つ正しくはないと 女生徒の心が窘める 全ては悪夢だったと 不幸を大切にしろと 万物の背景を愛せと 神様の心が血を流す…

僕が護ったこの街には 薄紅色が咲いている 風が其れを胃に収め 少しずつ風景を白黒にする 賑やかな市を走り回る 街灯りの下で肩を寄せる 酒場で陽気に乾杯を重ねる 全てが、全てが、愛おしい 廃墟で強姦を繰り返す 暗い部屋にて呪詛を唱える 銃弾を無差別に…

蜜を啄ばむ 僕はハチドリ 悲しき昆虫 食べるが我が兄 忙しない羽根に その目を細めて 僕を讃える 優しき我が兄 傷つけられて 傷ついて 兄は絶望を 罪悪と呼ぶ 今夜はとても 空が明るい 僕は泣き往く 資格も無いぞ 「ハチドリの花」

あの鍵盤の匂いがする 無色透明の旋律が 僕の心を植物にしていく あの娘は儚げに手を当てて 音階が醜い僕に目を伏せる 時に心を溺れさせては 時に心に神性を与える 外気に触れた感性で あの娘は強く呪うのね 僕は上手に生きられないよ お願い、音楽を止めて…

貴方との大切な日々 愛おしい子供たち 柔らかな風が包む 今日という日の在処 亡くした貴方に雨が降る この子供たちを守る為 今夜も私を夢から守って 父よ、母よ、神様よ 父さんの膝が心地よい 母さんの料理は世界一 大事な玩具を回したら 未来の言葉が聴こえ…

この教室に閉じ込められて 僕らはみんな偽物になる 本物で在ろうとした人だけが 安住の為の迫害を受ける あの娘の清らかな魂に 僕の本質は見抜かれている その腕に走る五線譜には 偏固なメロディが刻まれて 全ての少女が寂しい性器だ 我が身一つで抗っている…

平和を賛美する爆撃で 脳髄が損傷した男は 天啓された悪の真理で 心に文学的な炎を燃やす 野良犬に自らの肉を喰わせ 行きずりの女を孕ませる 親の葬儀に怒りをおぼえ 他人の思想の為に人を騙す 傷だらけの猫の写真を撮り 許された不貞を愛と呼ぶ ドン・ジュ…

天なるものよ この僕に 貴方を信じる 奇跡を下さい あの娘が死んだとか 僕を愛していたとか そんな事で真実を 濁さないで欲しい 僕の近くにあるものが 僕の信仰を証明する 僕の遠くにあるものが 僕の曲解を観測する だから僕を相応の 無慈悲で苦しめて欲しい…

全身を強く打ちつけても 君に会いに出かけます 猥褻な行為に明け暮れても 貴方を求めると誓うわ 露わになった臓物が喋る 即ち僕は臓物の結合体 摩擦疲労の子宮が唸る 即ち私は子宮の傀儡ね 僕と君との子供なら きっと痛みが分かる子に 私と貴方の子供なら き…

女の子は柔らかいから 冷蔵庫で冷やすのです 程よい色味になったなら 匙で掬って喉に滑るよ 女の子は柔らかいから 僕が守ってあげるのです 銃弾ナイフ爆撃全てを 丈夫な僕が身を挺するよ 女の子は柔らかいから ベッドに寝かせて殴るのです その低反発な怯え…

寝言が漏れる暗闇に 薄く光りし顔が浮く 何か物を言いたげに 口を開けば中は空洞 それは少女と思えしも 老婆などにも思えられ 眠る子供の顔を覗くと 音も立てずに歯を剥いた 獣の顔で喰い散らかすは 級友の暴力で受けた痛みを 自傷の痒みに伴う痛みを 愛を亡…

君は星目の少女を知って 恋を征服したつもりになってる 彼女が恋慕を叶えたことの 本当の理由も知らないままで 君はあまりにも幸せに頑固だ 最善手の幻想に溺れている 僕は何度も君に教えようとしたのに 君は僕の顔を見つめるだけだ だけど、君と僕こそが永…

僕の紫煙よ雨雲となり 黒い雨らを街に注げよ 僕の解も不安も愛情も 全て残らず降らせてくれよ 仲睦まじい恋人たちも 爛々と輝く若者たちも 目を細めて笑う老婆も 痴呆の愛に溺れる老翁も 高くに肩車する父親も ケーキを指さす母親も 坊主頭の青年たちも ミニ…

灼け壺の教室で 蠱毒な僕たち こんな暴虐を 混ぜたのは誰だ 勉強しいは殴られて 不良は慌てて騒いでる 根暗は唾液の夢を見て 少女は優良物件探し 右手をあげても当てられず 教科書の落書きは芸術の域だ 喰い散らかして 返り血だけの僕 非力な下校は 呪詛には…

葬儀に自惚れ 涙を足して 弔い合戦 躍起になると 生前騙り 死人に口なし 悲劇を補完し 声を荒げる 愛の在処を 語り明かして 思い出話に 酔いどれ髑髏 その群衆を 離れて佇む 少女は独り 地獄に落ちた 「葬式ラプソディ」

彼の思慕は恋人に 手をあげている 目を見つめてる 暴力で骨の髄まで 愛し尽くして 奪い尽くして 痛みが最も軽率に 教えるのだろう 忘れるのだろう 彼はそして気づくのだ 正すに至りて 殺すに至りて 「殴る人」

貴方の顔の火傷が恋しく 堪えて苛つき幾晩過ごす その触り心地は実に淫靡で 僕の情緒を狂わせている ――火傷は、燃える我が家に戻り ――姉の代わりに負ったと聞いた。 舐めて爛れた傷を味わい 血のむせ返る故郷へ帰ろう トワニオトメの証と誓って 辱めにすら寛…

切り取り線を迂回して 自殺坂を転がり落ちて 忘却の果てが人生で 写真に記され屈辱で 性とは理性への憎悪の果実 人を殺したい夜を重ねても 一兎も追わねば平穏らしく この恋愛を責める人は無く ああ 何故に一番大切な時に 言葉が出てはくれないの 屋上に並ん…

夢の一つも見れなくて 数え歌にて呪い疲れる 誰かが叱ってくれるかな 一人遊びで泣いたふり 私はいつでも有用に 必ず手にする一番目 意識は浅く我慢は深く 貴方の距離はまだ遠く 私の頭が狂っていても 朝は眠いしお腹は空くよ 気持ちの整理に傷を見て その血…

僕の墓には 一丁の錆びたピストルを 一緒に埋めて下さい 僕の面影を追って 墓を荒らす人たちに 報いるほどの根拠だけ 遺して死んでいくのです 僕の墓には 実弾を失ったピストルを 丁寧に埋めて下さい その実存の意味することに 理解し傷つく時までを 弔いに…

ああ喉枯れよ 不能にさせよ 人倫尽きて 獣になれば 嗄れた声で 愛を説こうぞ 差別に讃えて 冒涜を呼ぶ 毛皮に隠し 殺した言葉の 墓を暴いて 己に気づけば 我は化け物 肉喰の詩人 牙剥く情火は 野生の軍歌 「暴力思想の獣」

思想とは 何処かの誰かが 信じたものぞ 現実は遠く 言葉は近く 夢に見たのは 幸福の法則 紅を塗った虚言に 胸の中で眠る曲解 ーー僕らはいつも都合よく ーー誰が誰かを知らぬままに ーーその生涯への敬意も忘れ ーー上手な建前で溺れてく。 反発されて 遂に…

悪夢は覚悟している 今日を捨てる贖罪に 明日を手にする代償に 蜃気楼のような不幸らは 僕の脳みそを駆け抜けて 今、天国へと還ります 痛みのない現身なんて 神様だって首を振る この僕でさえ首を振る 悪夢を期待さえしてる 今日と別れる口実に 明日も愛する…

日蔭に静かに腰かけて 少女地獄を読む貴方 聖者のような表情で 愛おしそうに頁を捲る 私の劣情を打ち明けたい 寂しくなると言わせたい その神聖なる儀式に混じり 私の女で台無しにしたい 貴方の罪は私の敗北 貴方の我慢は私の欠乏 女な女を一瞥もせずに 独房…

人は死病に罹る時 懐かしいほどの贅肉を 一つ一つと失っていく それを誰かは美しいと語る 洗練されて穢れさえ削げると しかし僕は贅肉を失った貴方が そこに宿る大切な心の財産も 悉く奪われたのではと感じる 貴方の齧ったカカオ菓子や 告白をした夜の仔羊の…

わず、しびとだがげ わず、しびとだがげ 僕の幻視に住む童子が お姉を追って囃してる わず、しびとだがげ わず、しびとだがげ 蜻蛉の羽を毟るよな 罪在る遊戯に騒いでる わず、しびとだがげ わず、しびとだがげ 僕の疲労に住む老婆が 耄碌の心地に怯えてる …