ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

心無い事を 心ある人が言うなよ 他人は貴方の 脇役ではないのだ 不幸な言葉を 不遜な言葉を 不誠実さを そのあてどなさを 幾重に紐解く悲しみの中で 僕らは溺れて死んでいく 他人を他人と呼ぶ為に 蔑ろにした感情と 或いは悪態の化け物と 対峙するのは子供た…

好きの為に人を殺し 好きの為に孤独になり 好きの為に心を無くし 好きの為に気持ちを偽る 大罪となる法則概念で 人は運命と出逢います 観念は思考を凌駕した 好意で壊れたレコードです 刻まれた言葉が針をはじいて 真意は自らをやり直します 永遠にも近い告…

世界の中心に僕はいないが この心でも生きてはいけるよ 残滓、感傷、口下手な涙 財産と呼べる酸欠気味の憧憬 強くなければなりません 傷つかなければなりません 死に損ないに花を手向けて 僕はもう僕の理想から逃げない だから鳥たちが運ぶ完璧な痛みに 僕と…

寒空の下で生きるとは 五センチ以上は拒絶する事 表情筋に期待を持たない事 無慈悲な足取りで進む事 疲れたら素直に死んでしまう事 覗いた窓の中の温もりに 決して琴線が触れてはいけない 町並みに立ちずさむ情婦たちに 決して心を許してはいけない 手にでき…

放射能に晒されて 骨身になった故郷で 突然変異な恋をして 語ること無く死に絶える 可愛い娘の誕生日 祝って泣いた仏前で 蝋燭と記憶が溶けていく 何処か遠くへ逃げたなら 身に沸く蛋白質を摂取する 人間は人間に値するか 生きる吸血鬼を強要された 血だまり…

祭囃子の笛が聞こえる 待ちに待った喧騒に 駆け出す貴方は、遠い、遠い はにかむ笑顔に気を取られ 僕は可能性を失ってしまった 全ては記憶に帰納される それは孤独の呼び水で 痛みに堪えたあの少女には 十字架だけが与えられる 誰かが咎める声が聞こえる そ…

あんなにも世界は綺麗なのに 僕はそれを伝える術を持たない 猫がニャーしかないように 宇宙に雨が降らないように 裸の少女の無邪気さに 心が酷く打たれたとして 兵士の決死の散り際に 涙が感覚を失ったとして 僕は穢れを穢れと答えた 穢れの美しさを見ないふ…

空が空のつもりなら 青さを僕に分けて欲しい 青色ソーダの透明で 傷つく世界を見つけぬ為に 海が海のつもりなら 青さを僕に分けて欲しい 信号の青に立ち止まり 死人の行列を見送る為に 純潔な青は紺を越え 藍色になって夜は訪れる 殆ど空気と呼ばれる色に 人…

初恋のあの子は ラファエロの聖母 気取った物言いに 若さを裏切るのさ 単純明快な 思惑は要らない 含まれた哲学を 打ち合わせするのさ ラヴレター握って ワンピースは遠く 果敢過ぎた風に 真実を見たのさ 電車の前照灯 別れを描く唇 美しさを認めたら 世界は…

違う未来に脅されて その雪辱に生きている 手に入れたのは言葉だけ 役に立たない言葉だけ (いろはにほへとさようなら わかよたれそたそがれに あなたのこいのちりぬるを ぼくのこころはつねならむ) 愛とは一体なんでしょう 貴方より先に目が覚めて 貴方よ…

貴方が堕ろした愛情は 貴方を捕まえ離さない 愛の何処かに誠実を欠き 貴方が誰かに惹かれる限り それは彼らが憎しみと呼ぶ 涙で割った甘いカクテル 女の顔をし飲み干そうとも 本質として美は宿らない 何を恐れる事がある 貴方は知っていたはずだ 大人と名付…

僕は電灯が好きだ 僕らの為だけに照らす その健気さが好い 虫たちを集めて焼き殺す その残酷さが好い どんな夜にも負けること無い その気丈さが好い 亡霊たちをピカピカにする その清潔さが好い もしも電灯が語るのならば きっと月への敬意だろう もしも電灯…

平和という名のオカルトに 可愛いあの娘は入信したよ 気持ちの良さで言葉を喋る 教祖に恋が芽吹いていたよ だから体を死ぬほど売って 白い小鳩を死ぬほど買ったよ 流行になった汚い交尾を 教祖様ともしたかったのよ 今日も彼女の部屋には小鳩が 我が物顔で世…

近所の公園の砂場には 制服のボタンが落ちていて その存在そのものまでが 意味を持っては静かに輝く その紡糸を引き千切ったのは 男であったか女であったか その砂遊びの結末の情景は 幸せだったか不幸だったか そこに在るというそれだけで 僕らは幾つもの物…

酷い裏切りです 僕に才が無いとしても この心が偽りだとしても 言葉さえ意味を為さなくても 僕の奇跡は僕の物なのに 夜がコーヒーになるのも ネオンが信号になるのも 夢が思い出になるのも 煙草が亡霊になるのも 風が小鳥を捕まえるのも 全ては僕だけの奇跡…

恋をしてると言わないで それは悪魔の囁きだ 僕を僕とする最後の糸が 髪の毛みたくプツンと切れた 詩人に恋が成立するなら それは此処とは違う場所 体験談を綴ったならば 僕は正しく死なねばならぬ 温もりには慣れる事なく 追想によって僕は愛された それで…

宇宙に一人取り残されて 体操座りで自転する 公転するなら貴方の傍で いつでも綺麗に映りたいけど 考える時間は沢山あった だけど考えるのはきっと不幸だ 考えない自分が恵まれていたのを 考える事によって気付くのだ 好きで産まれた人たちには 僕はいつでも…

解釈された詩編が載った ネットで流行りの感触が 子供を兵士に変えていく この息苦しい学校で トイレで作った銃剣は 容易に敗者を作り出す 撃ち尽くすのは言葉の暴力 弾け飛ぶのはあの子の給食 戦場となった教室は 敵も味方も曖昧であって お喋り好きな女子…

少女を一度でも映したならば その鏡は叩き割る必要がある 足で踏み鳴らす必要がある 粉々になったその憧憬を 毎朝一回服用する必要がある 難しい事が分からなくて 全てを飲み込んだ少年のように 消極的な敗北はいつも 映画性に富んだ寸劇を求める 占いを信じ…

喉の奥から海の音がする 頬に唾液が満ちていく 虚ろな瞳を手にした僕は 指先までも他人みたいだ そんな僕の心が遺した 骸の墓を暴いて晒す 記憶に欠けたその配列に 何度ともなく僕は救われた 呪詛を唱える病室で 顔を映すは透明な花瓶 それでも死体を増やし…

面影のない子供たちが 川のほとりで水遊び 鬼は器用に笑ってる 水きり石は沈むことなく 躰は半分しか手に入らず だから寄り添い誤魔化した その横柄が罪と結ばれ 身を焼くたびに言い訳にする 算数だけが救いです その謙遜が帳簿をつけて 記憶するのを放棄し…

少女を拗らせて想ったの 鏡はまじないで 夢は剥製で 愛は完璧で 肌は石膏で 瞳は猫の目で 恋は屈服で 性は醜悪で その美しさが私ならば そのまま静かに消えたいと 汚れた少女のゴミ捨て場 穢れぬ少女が至る場所へと しかし素知らぬふりする男に 少女は少女を…

青空が悲しいのは 僕の個人的事情で そうして忘れた嘘たちが 今日も着飾る詩編になるの 線路の上に置き去りにした うつ病の患部に手をかざし 脳味噌は素直に薬漬け 記憶は綺麗に色づけられる 青空が寂しいのは 貴方の個人的見解で それらの隙間を縫う風が 明…

愛玩犬は「好き」と鳴く その無垢なる願望を 僕は胸の中に閉じこめる 彼女は僕しか望まなかった 過程なくして美を感じれず 風景美談は状況の勢力に依存し 言葉を当てはめて理解する 汚れた僕の瞳なのに 汚れた僕の美観なのに 何処までも走る貴方よ そのセロ…

まだこれらは紙だ まだこれらは布だ まだこれらは音だ まだ彼らは人だ まだこれらは色だ まだこれらは石だ まだこれらは記号だ まだ貴方は人だ 僕を取り巻く世の中と呼ばれるものは 実は世の中と呼ぶには忍びないただの他人の言い訳なのだ 僕が怯えているの…

恋の風景に 懐かしげに手を振るからね 失う事など無かったよ 景色は何処までも在るからね 人生は大掛かりな走馬灯 僕は知っていたよ 死に至るまで 僕は貴方の思い出の中 貴方に恋をしたのは 直観でも運命でもなく そうした景色の追想が 僕の道の上に落ちてい…