少女を一度でも映したならば
その鏡は叩き割る必要がある
足で踏み鳴らす必要がある
粉々になったその憧憬を
毎朝一回服用する必要がある
難しい事が分からなくて
全てを飲み込んだ少年のように
消極的な敗北はいつも
映画性に富んだ寸劇を求める
占いを信じるような初心な彼らを
僕は今暴力的な行間によって
完膚無きまでに蹂躙しようと思うのだ
少年と少女は永遠に出会えない
粉薬は辱められ群像劇に拍手はない
僕は浅はかな世界の模倣犯である
「若き時限装置」