ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

僕との交感のたびに 貴方は耳元でそっと囁く 甘く正しく熱っぽく 僕を切り裂くあの言葉 「この人痴漢です」 「私を触りました」 僕は貴方に赦されず 満員電車の心に震える ピロトークが愛憎の証明 僕の恋慕は必然的で 「この人痴漢です」 「私を愛しました」…

美少女フィギュアの頭蓋を 口の中で転がしながら その淡白な口当たりに 必死で愛を探しているのです 舐めれば舐めるほど なぞればなぞるほど その隔たりを意識させられ 唾液が涙のように流れるのです そんな僕を眺めているのは 僕がナイフで半身にした彼女で…

白い壁に耳を押し当ててみる 恋人たちの囁きが聴こえる 愛で濡らした甘い甘い言葉に 僕の胸は切なさで痛みすら感じている 白い壁に耳を押し当ててみる 割れた皿のはじける音が聴こえる 尖った喉が叫び出す悲鳴たちに 僕は涙でこの部屋を台無しにしてしまう …

血色の悪いラヴレターを 保健室登校の君に渡す 清潔な匂いのするベッドで 消毒液みたいな顔で受け取る君 ミニスカートのほつれ糸を 私の臍の緒だと笑う君 僕のブレザーは丈夫過ぎて 全てを壊してしまいそう 教室前は死別したみたいだね 僕はクラスに馴染めて…

水玉模様の柔肌に 初めて触れた少年の ソーダ水なセックスは 戦闘服を切り裂く程で 憂国の前に飛び出した ICBMの核弾頭に 今夜は君と一緒に乗って 復讐の隣でドライブをする 英雄たちは色好む 赤とか青とか黄色とか 僕は水色が好きだから 水面の波を手で掬い…

失語症の山羊は 狼の胸で眠っていた こぼれる吐息のその湿気には 確かな愛が語られていた 山羊は狼に食べられたいと願った 狼は山羊を食べるものかと決めた 山羊は夢見がちで 狼は名もなき詩人だった 禁じる告白のその情感には 全てが悲しい詩編であった 狼…

彗星に騙されて 街灯りを信じてた 雨が心を追いかけて 涙の無口さに戸惑った 夜と朝に振り回されて 布団の中で溺れてた 秋の景色を一瞥もせず 漫画の台詞に震えてた 貴方の傷口から流れる血を 両手で必死に塞いでた 指の隙間のワインレッドに 僕は僕の正気を…

僕は射精がしたいのです 涙に揺れる陽炎に 埃を被ったフイルムに 子供が描いた似顔絵に 大人の罪の独白に あの娘の曇った伊達眼鏡に 胃の中ではじけるソーダ水に アスファルトに死ぬ花に SF小説の一節に 愛を騙らぬメロディに 妊婦のお腹の反抗に 全ての世界…

夜に架かった虹を渡って 月の裏側へ降り立った 其処でようやく逢えたのは 遠吠えで喉を嗄らした狼少女 月はいつまでも綺麗だから 僕は彼女をワルツに誘う 友に奪われた恋人の唄を 共に奪われた温もりにのせて 虹の袂で眠る愛玩犬も 潤んだ瞳を呼び覚ましてい…

彼女が呼ぶ雨風は 便利な世界を浄化する 僕の吐き出す煙草の煙も 迷惑の彼方へ靡かせる 人は見事に負けました 逃げる事すら儘ならず 人喰い鬼の涙の如く 海は罪悪に濡れている ビルを生やした密林を 全て巻き上げ目が醒める 僕はどうやらいつの日か 古代遺産…

また統計学的に価値のない 少量の死人が作られる 毎日死体の誕生日 毎日感性の終息日 明日が貴方、今日が僕 あの人だっていつの日か 自殺を企つ若者に 殺人鬼たちは意味を問う 手首の痛みに慣れた日の 心の底に溺る日の 明日が貴方、今日が僕 あの人だってい…

貴方が立ち止まる為に その羽根を肩甲骨に仕舞う為に 僕は幾つも思い出を燃やし 貴方の悲しい嘘に触れる事を望んだ 何故なら燃え上がる僕の追想は冷たくて 懐かしいものを奪われたと感ずる涙が ただ、貴方のとても沢山の嘘たちを 優しく暴く力をこの指先に宿…

貴方は揺れてる月見草 きっと誰もが愛するでしょう 夜分の隣が綺麗だなんて そんな安易さにさえ抱かれて眠る 群れをはぐれた狼は 観念的に人を愛している その歯牙に引き裂かれた恋慕たちは 痛みが何より気持ちよくなって 亡者の踏み鳴らした街に 茎の折れた…

居場所なんて要らないよ 心は此処にあるからね 原初の情緒は克明に 僕の体をpingに変える 応答なしなら寂しいが その風向きも僕のもの この街で生きていく為には 探りだす強さが必要だ 好きな人が好きな人を 好きになることはできないの 昔は強姦の世界で気…

誰かが何かを叩く音がする 何かで終わる自分が悲しい もう訂正が出来ない程に 僕はその音調を恐れている 幾度も笑顔の静止画を 見せつけられて嘔吐する その狂おしい不実な絵面に ただただ神の実在を祈ってる 街中を闊歩する匂いには 変死体の吐息が混ざって…

言葉を重ねていくたびに 黒い傷跡は増えていく 其れを手首が引き受けて 詩編はリスト・カットする 嘘しか吐けない唇や 終末詩人の自己満足 全てを確かめ受け入れて 詩編はリスト・カットする ただ其処にある心だけ 泣かせてやると意気込んだ 死の洗礼だと嘯…

小指と小指を絡め合い 乱れたシーツに隠す夜 吐息はあまりに透明で 此処にいるのも不確かで 汚れた心で愛してた この暗がりの神様の部屋 少し頼りなさげな言葉さえ 優しさだけは信じてた 忘れた頃の復讐は いつでも僕を泣かせるね どうして愛など作ったの あ…

其れならば 初めから自分など存在しない 正確に言うならば 自分と言う概念は余りに正しくない 日本では 肉体の所有意識が欠如する 其れならば一層 自分と言う概念は浅ましき幻覚となる しかし悲しき我等には 其れを愛すべき感情がある しかし不幸な我等には …

仲の良い双子の少女らは その反逆心を養いながら 鏡代わりの片割れを いつ殺そうか悩んでる きっと上手くいくのでしょう 神様の仕組んだ悪戯に 付き合う事は運命の嗜み ただ、その後の残酷な類似性に 少女らはそっと気づくのです この純潔な殺意はつまり 私…

囲んで囲んで 騒がしい地獄 その害する一番槍は 私の体を確かに貫いた 血は混濁して 屈辱の夏 その路地裏の 途切れた街燈の下 それでも人を愛せなど 悲しい正論を言わないで 銀の銃弾に仕立てあげた 言葉が私を脅かす 人間不信のフルコース 行儀作法はしめや…

死になさい ひと撫でで壊れる夢ならば 死になさい 一瞥で見抜かれる嘘ならば 死になさい 一度も信じぬ愛ならば 死になさい 一瞬で壊れる恋ならば 野良犬はゴミ捨て場に散乱するゴミ袋の中で この世の真理を知ったと言うのに 死してなお 夢は貴方を美談にする…

秘密。秘密。 僕の秘密 喋らなければ 出てけと言われた 秘密。秘密。 僕の秘密 明かさなければ 死ねよと言われた 電話のコール音 違法な物語 音のない映画 口移しのアルコール 水面下の温もり 死にゆく台風 透明な海底に眠る 化け物じみた言葉たち 秘密。秘…