2013-07-11 ■ テレフォンの吐息が熱っぽく 貴方の潤みを伝えてく 僕らは確かに交感し続けたが 其処に貴方の証明は在るのか 完璧なまでに美しくあろうとして 手首も足首も躊躇わず切り落とす それに思わず喉を鳴らした僕を睨んで 私はもっと自由が良いと言う 血塗れになって無邪気な貴方の 思い出の映写機は馬鹿だった 貴方はこれをおとぎ話と呼び 僕はそれが地獄だと理解する 通話ボタンを二回押し 灯らない恋慕に安心をする 貴方は僕の正しい演劇装置で 僕の憧憬は貴方を見失わせる 「電話と妄想の実存」