2013-06-24 ■ 「麻酔が効いてきたの」 僕の体にメスが深く入る この痛まない傷口によって 胸の喪失感の意味を知る 死神達は其れこそ大げさに 人の生死を口々に自慢する 君の命が甘いからと咥えて 醜く太った堕ちていく神様 人が死ぬということが こんなに惨めな事なんて 随分昔に忘れていたよ だから君には感謝をするの 麻酔は僕の涙を止めて 傷口だけを増やしていくよ だけど残った感性だけは 手術室から夜へと逃げのびて 「麻酔」