不幸せな三日月は
その場限りの芸術に晒し
欠けた部分が痛くて泣いた
近づくものもみんな傷つけ
夜分を赤く照らしてる
狼少女が駆けている
時折吼えるのは恋人が
多くを持たなくものだから
その永遠の満ち欠けに
私がいると訴える
僕は声を聞き遂げて
さらに言葉を重ねてく
もう口などは意味を持たない
その裸の静かさに
耳を澄ませて打鍵をしてる
満月になれば晴々と
己の名声に興味が湧いてくる
街並みをジッと見下ろして
詩人の懸命さを見つければ
麻薬のような愛をおぼえる
この誰も幸せにならない世界で
僕は満月だけを嫌いになった
「真夜中の片想い」