2014-09-20 ■ 産気づいた必死な妊婦を 乗せた凶悪なタクシーに 轢かれて死んだこの僕は バランスが取れているのかな 果たして血濡れた幼児には 何と教えてゆくのだろう 罪の果実はあまりに苦くて 安楽にさえ影を落とすが 僕は彼らの傷痕の為に 何度も何度も打ち潰される 存在自体が悪とされても 信号機の色は変わらない 生きる罪児も大人になれば 恋に落ちては泣くのだろう そして命に僕が視るのは 嵐で詩集が靡くような生涯 「罪のバランス」