2013-08-21 ■ 私の小さな世界では ベランダの月に魅せられて その灯りを眺めるたびに 涙が大気を湿らせます 例えば欠けてる三日月は その鋭角な心もちが 私の臆病を問いただし 優しく諭してくれるのです 満月の夜などは本当に 幾億幾万と繰り返す その再生たる尊さに 胸がすっかり埋まるのです しかし赤く染まった月は 私の激情を喉元に宿します 吠えて吠えて吠えて吠えて 神様に咎められる程に吠えて 「月と愛玩犬」