ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-01-01から1年間の記事一覧

愛と呼ばれる装置について 光が見えるまで目を凝らす 涙ぐましい静謐の その先の先の先の先 見つからないかもしれない 叶わないかもしれない 痛みの生じる言葉たちだけ 頼りと信じて火を点ける 全ての感受を燃やし尽して 愛の残り香を想起する 知れないかも…

まず愛していると言う言葉は 詩人にとっての敗北です その肌触りや哲学や 情緒や温度や距離感を たった一枚の紙切れに 書き残して夕暮れの 海に濡らして溶かさねば 僕は永遠に愛と呼ぶ 仕組みと対峙は出来ません 詩人で在るのは面倒です 理想を描いて惨めに…

春の眠りが安らぎならば 冬の眠りは死期である 体温奪う心細さに 成す術もなく冷えていく あれは星空だ あんなに熱く燃えているのに あの娘の瞳に届くまでには すっかりと冷たい記号となり 美しさだけを置き去りにする 寒気は不在の証明であり 位置を知らし…

ただ一人の愛おしい人を 僕の感性の腕たちが 蹂躙していく 凌辱していく 守れない約束は するべきじゃなかった 貴方の掌の中にある 憧憬は 今、ミンチになりました 明日は来たの? 何度も何度も貴方は尋ねる 百年後には 僕と貴方は死んでる きっと死んでる …

名前を呼ぶ 味を確かめる 耳を当てる 軽く振ってみる ガランドウ ガランドウ 温度を測る 覗いてみる 指で確かめる ガランドウ ガランドウ 二つに割る 電気を流す 匂いを嗅ぐ 声をかける ガランドウ ガランドウ 様子を窺う 庭に埋める そして忘れる ガランド…

夜更けの雨は美しけれど 大地に落ちると穢れを知ろう 貴方の病室のベッドの座標が 窓際なのはこの為なのか 健全という名の精神病よ 美し過ぎると死ぬには容易い 貴方に止まない雨は無くとも 止んだ後まで生きる道理は? 「病人ならば青白く佇み 咳を何度もし…

湯船一杯の海の中で 僕の体は溶けていく 次第に形は胎芽に戻り いずれ跡形もなく消え失せる ああ、君よ、大切な君よ そしたら栓を抜いておくれ 底に渦巻く想いを見届けながら 僕の物だった未練がましい魂が 詰まらぬように掻き混ぜて欲しい それから君は体を…

幸せの上に寝転んで 安心の中に包まって 希望の下で鍋をして 未来の外で恋をする その恩恵は僕を滅ぼす 何かの傍しか在れないと 座標に基づく相対性に 言葉の腐敗は止められぬ 不幸は月の影に潜んで 不安は不老の墓に立つ 絶望は胃液で固く育って 過去は百億…

躰を金で売る情婦ほど 命の値段を知る者はいない 女同士の噂話で 存在論の解を遂げるのだ 僕らの街の上空を 飛来していくミサイルは 幾つの価値を見いだすか その灼熱の可能性に どこまで他人でいるつもりか もしも弾頭のサイボーグと 寒空の下の色女が 互い…

僕に訪れる天啓に 言葉で少し真似てみる 恐らく(n + 1)番煎じの 誰もが知ってる輪郭を 若者を取り巻く陰謀や 体を蝕む太陽毒や 映画に潜んだ悲しい洗脳 それから僕と貴方について 乳呑み児たちの悲鳴とか コンビニエンスの屠殺場とか 少女に残った奪略愛の傷…

世界が広いという信仰は 割と僕には絶望的で 自分のサイズの限界に 心臓を掴まれる心地がした 拍手を貰う立場になれば 否応なしに正気を疑われ 指をさされる時さえあるが 僕とは寧ろ健康過ぎるほどだ 足元にいる鳩たちは こぞって人間慣れすぎて もう飛び立…

空いてるパズルを埋めてくように 大切だけが死んでいく 銀河ステーションで酔い潰れ 最終電車に這いつくばった 車内は囁く声に満たされて 鉄の扉が封をする それを識者は運命と呼び 優しい人は奇跡と嘆き 冷たい人は愛だと笑い 僕は自分自身と知った 遠くで…

気がかりな夢を見た朝に 僕は収まりがつかなくて 昨日誓った幾つかの傷を 貰いに廊下を走り出す 貴方の膝の絆創膏 貴方の膝の絆創膏 貴方の膝の絆創膏 貴方の膝の絆創膏 セーラー服に滲み込んだ 朝の陽さえも妬ましい スカート裏の薔薇の刺繍に 僕はいつでも…

盟友たちが壊されて 僕は敬礼正してる 飛行機雲に消えてった 貴方の祈り 貴方の誇り 一人一人が爆撃なのだ 花火は夏しか咲かないが 心の自由は縛られること無く そのオイルの熱さにも 負けぬ我らの憂いさよ 死とは一つの事象でありて 神を信ずるのは母の前だ…

空洞に似た歳月の 現実感を認めるのには 僕は育ち過ぎました 僕は悲し過ぎました 恋知らずの治療に 心療歯科に通います 夢離れの療養に 心療外科にかかります 在った過去の残虐性を 非ずの未来で殺すには ただ簡単と言えるほど 僕は正しくいられない 貴方の…

僕の骨身が鳴り響く 奴らを殺せと喚いてる 潔癖の気がある僕の言葉に 骨らの声は正しく素直だ 流川町は喫煙所 浮浪者たちが目を光らせて 僕の育てた優しき倫理に 嘘を吐くなと問い詰める 僕の武器にはボールペン 防具は安物の経験則か これにて哀れに幸せな …

思えば優しさと言うものに 振り回される毎日でした 堪らず触れた古傷の痛みに 時には戸惑ってみたりして それでも私は想います 私は貴方を尊敬します それが私のプライドです 貴方に伝えたいことが 全て貴方に伝わるならば 私は泣いたりしないのに 冷たい感…

運命を壊せ (絶望する胎児) 運命を壊せ (解りきった子) 運命を壊せ (無機質な少年) 運命を壊せ (凡庸な生命線) 運命を壊せ (使命のない男) 運命を壊せ (当たり前の恋) 運命を壊せ (十分にて退屈) 運命を壊せ (知っていた愛) 運命を壊せ (結…

この厄介が恋ならば 僕の理念は紙に描いた月 人間性の在処には 統計学的予想に頼る 夢では噛み合う応酬に反し 他者は不思議に他者で在る 物語性が欠如して 即興劇はテンポが合わない 僕のyesが貴方のyesで 無い事だけは知りたまえ 少し不便なこの隔たりに 心…

電話越しの怒れるサイレンは 人肌に燃える 胸に残る白骨化した不安は 酷い臭いがする 安易に血塗れになった認印が 僕の袖を汚す 審査が振り下ろす刃物の鋭さは いつも予定調和 「書類は僕の頭を馬鹿にしていく 記述するたびに痴呆が進んでいく 年齢も住所も…

僕の目に映る全ての花を 悲しさを持つまで摘み取りたい 僕は子宮に正しき瞳を忘れた 水溜りに感受性を置いてきた だから世界が砂漠に変わっても 死にゆく花は目障りなだけ 君に訪れる秋というものが 僕に訪れた事があっただろうか 季節は残酷なものだと知っ…

お伽噺を信じたら 周りが随分騒がしい 妖精たちは人々の 胃袋を満たす宝石ね あの光を追いかけて 今夜は空も飛べるかも 感受性なら無敵だわ 幼き銀貨のドロップ舐めて 黄金で出来たお姫様や 琥珀の牙持つ狼に 私は見劣りしたくない 骨身を弄って生まれ変わる…

愛が破裂する音がした 百年前の寂しさや 百キロ間の切なさを 誤魔化す為に作られた 僕らのたった一つの愛が 貴方の瞳は陰りを見せて 尋ねるだけの機関になった 僕は理由とその遺伝子を 孕ますだけの装置になった 愛が破裂する音のあと たった二日の温もりも …

僕には冷たすぎる路地裏を 煙草の溜め息で温める 燃え尽きそうな心拍を 両手を寄せて護りきる お薬ケースはそのままに 次の居場所を探してる 視える範囲の世界しか 僕には非ずと同義であって (或いは潔癖症な孤独に 惹かれていく青年兵の遺書) 冷えていく…

僕との交感のたびに 貴方は耳元でそっと囁く 甘く正しく熱っぽく 僕を切り裂くあの言葉 「この人痴漢です」 「私を触りました」 僕は貴方に赦されず 満員電車の心に震える ピロトークが愛憎の証明 僕の恋慕は必然的で 「この人痴漢です」 「私を愛しました」…

美少女フィギュアの頭蓋を 口の中で転がしながら その淡白な口当たりに 必死で愛を探しているのです 舐めれば舐めるほど なぞればなぞるほど その隔たりを意識させられ 唾液が涙のように流れるのです そんな僕を眺めているのは 僕がナイフで半身にした彼女で…

白い壁に耳を押し当ててみる 恋人たちの囁きが聴こえる 愛で濡らした甘い甘い言葉に 僕の胸は切なさで痛みすら感じている 白い壁に耳を押し当ててみる 割れた皿のはじける音が聴こえる 尖った喉が叫び出す悲鳴たちに 僕は涙でこの部屋を台無しにしてしまう …

血色の悪いラヴレターを 保健室登校の君に渡す 清潔な匂いのするベッドで 消毒液みたいな顔で受け取る君 ミニスカートのほつれ糸を 私の臍の緒だと笑う君 僕のブレザーは丈夫過ぎて 全てを壊してしまいそう 教室前は死別したみたいだね 僕はクラスに馴染めて…

水玉模様の柔肌に 初めて触れた少年の ソーダ水なセックスは 戦闘服を切り裂く程で 憂国の前に飛び出した ICBMの核弾頭に 今夜は君と一緒に乗って 復讐の隣でドライブをする 英雄たちは色好む 赤とか青とか黄色とか 僕は水色が好きだから 水面の波を手で掬い…

失語症の山羊は 狼の胸で眠っていた こぼれる吐息のその湿気には 確かな愛が語られていた 山羊は狼に食べられたいと願った 狼は山羊を食べるものかと決めた 山羊は夢見がちで 狼は名もなき詩人だった 禁じる告白のその情感には 全てが悲しい詩編であった 狼…