空いてるパズルを埋めてくように
大切だけが死んでいく
銀河ステーションで酔い潰れ
最終電車に這いつくばった
車内は囁く声に満たされて
鉄の扉が封をする
それを識者は運命と呼び
優しい人は奇跡と嘆き
冷たい人は愛だと笑い
僕は自分自身と知った
遠くで妹を抱きしめる男あり
僕が握るは一番安い切符
飾りの煙突は煙突を全うし
恐らく無色が大切だ
後悔をする後悔もなく
祈りを施す祈りもあらず
諦観じみた諦観を振り切り
悲しみだけの悲しみを持つ
殆ど無賃の僕だけは
連結装置で貝の火抱える
それ程までにこの空に
乗り続けなければならぬのだ
遺した者を罪深く
痛める事をいざ知らず
今日も大切は車両に乗って
美しく在ろうと躍起になるぞ
酔いが醒めたら気づくのだろうか
僕も誰かの大切だったと
「銀河鉄道にキセルして」