ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2013-01-01から1年間の記事一覧

彗星に騙されて 街灯りを信じてた 雨が心を追いかけて 涙の無口さに戸惑った 夜と朝に振り回されて 布団の中で溺れてた 秋の景色を一瞥もせず 漫画の台詞に震えてた 貴方の傷口から流れる血を 両手で必死に塞いでた 指の隙間のワインレッドに 僕は僕の正気を…

僕は射精がしたいのです 涙に揺れる陽炎に 埃を被ったフイルムに 子供が描いた似顔絵に 大人の罪の独白に あの娘の曇った伊達眼鏡に 胃の中ではじけるソーダ水に アスファルトに死ぬ花に SF小説の一節に 愛を騙らぬメロディに 妊婦のお腹の反抗に 全ての世界…

夜に架かった虹を渡って 月の裏側へ降り立った 其処でようやく逢えたのは 遠吠えで喉を嗄らした狼少女 月はいつまでも綺麗だから 僕は彼女をワルツに誘う 友に奪われた恋人の唄を 共に奪われた温もりにのせて 虹の袂で眠る愛玩犬も 潤んだ瞳を呼び覚ましてい…

彼女が呼ぶ雨風は 便利な世界を浄化する 僕の吐き出す煙草の煙も 迷惑の彼方へ靡かせる 人は見事に負けました 逃げる事すら儘ならず 人喰い鬼の涙の如く 海は罪悪に濡れている ビルを生やした密林を 全て巻き上げ目が醒める 僕はどうやらいつの日か 古代遺産…

また統計学的に価値のない 少量の死人が作られる 毎日死体の誕生日 毎日感性の終息日 明日が貴方、今日が僕 あの人だっていつの日か 自殺を企つ若者に 殺人鬼たちは意味を問う 手首の痛みに慣れた日の 心の底に溺る日の 明日が貴方、今日が僕 あの人だってい…

貴方が立ち止まる為に その羽根を肩甲骨に仕舞う為に 僕は幾つも思い出を燃やし 貴方の悲しい嘘に触れる事を望んだ 何故なら燃え上がる僕の追想は冷たくて 懐かしいものを奪われたと感ずる涙が ただ、貴方のとても沢山の嘘たちを 優しく暴く力をこの指先に宿…

貴方は揺れてる月見草 きっと誰もが愛するでしょう 夜分の隣が綺麗だなんて そんな安易さにさえ抱かれて眠る 群れをはぐれた狼は 観念的に人を愛している その歯牙に引き裂かれた恋慕たちは 痛みが何より気持ちよくなって 亡者の踏み鳴らした街に 茎の折れた…

居場所なんて要らないよ 心は此処にあるからね 原初の情緒は克明に 僕の体をpingに変える 応答なしなら寂しいが その風向きも僕のもの この街で生きていく為には 探りだす強さが必要だ 好きな人が好きな人を 好きになることはできないの 昔は強姦の世界で気…

誰かが何かを叩く音がする 何かで終わる自分が悲しい もう訂正が出来ない程に 僕はその音調を恐れている 幾度も笑顔の静止画を 見せつけられて嘔吐する その狂おしい不実な絵面に ただただ神の実在を祈ってる 街中を闊歩する匂いには 変死体の吐息が混ざって…

言葉を重ねていくたびに 黒い傷跡は増えていく 其れを手首が引き受けて 詩編はリスト・カットする 嘘しか吐けない唇や 終末詩人の自己満足 全てを確かめ受け入れて 詩編はリスト・カットする ただ其処にある心だけ 泣かせてやると意気込んだ 死の洗礼だと嘯…

小指と小指を絡め合い 乱れたシーツに隠す夜 吐息はあまりに透明で 此処にいるのも不確かで 汚れた心で愛してた この暗がりの神様の部屋 少し頼りなさげな言葉さえ 優しさだけは信じてた 忘れた頃の復讐は いつでも僕を泣かせるね どうして愛など作ったの あ…

其れならば 初めから自分など存在しない 正確に言うならば 自分と言う概念は余りに正しくない 日本では 肉体の所有意識が欠如する 其れならば一層 自分と言う概念は浅ましき幻覚となる しかし悲しき我等には 其れを愛すべき感情がある しかし不幸な我等には …

仲の良い双子の少女らは その反逆心を養いながら 鏡代わりの片割れを いつ殺そうか悩んでる きっと上手くいくのでしょう 神様の仕組んだ悪戯に 付き合う事は運命の嗜み ただ、その後の残酷な類似性に 少女らはそっと気づくのです この純潔な殺意はつまり 私…

囲んで囲んで 騒がしい地獄 その害する一番槍は 私の体を確かに貫いた 血は混濁して 屈辱の夏 その路地裏の 途切れた街燈の下 それでも人を愛せなど 悲しい正論を言わないで 銀の銃弾に仕立てあげた 言葉が私を脅かす 人間不信のフルコース 行儀作法はしめや…

死になさい ひと撫でで壊れる夢ならば 死になさい 一瞥で見抜かれる嘘ならば 死になさい 一度も信じぬ愛ならば 死になさい 一瞬で壊れる恋ならば 野良犬はゴミ捨て場に散乱するゴミ袋の中で この世の真理を知ったと言うのに 死してなお 夢は貴方を美談にする…

秘密。秘密。 僕の秘密 喋らなければ 出てけと言われた 秘密。秘密。 僕の秘密 明かさなければ 死ねよと言われた 電話のコール音 違法な物語 音のない映画 口移しのアルコール 水面下の温もり 死にゆく台風 透明な海底に眠る 化け物じみた言葉たち 秘密。秘…

危険因子の昼下がり 頭隠して涙隠さず 言論の自由は死にました きっと僕が殺しました 正義は貴方にありました 幼く残酷で偏狭な理性 此処はゲームじゃないのだと 小説の中で告白してる 危険因子は目を閉じる 病は思想の狂いから 全員死んだと信じます きっと…

あの娘の季節は冬が良い 囁く声は白さを宿し 触れ合う肌は燃えている 雪はあの娘を素直にさせて 裸を重ねて朝を待つ 彼の季節は夏が良い 陽射しが鋭く降り注ぎ 白い歯だけが信じてた その焦げ茶色の野生さに 誰もが彼には敵わない 貴方の季節は春が良い 命が…

僕の感性は数学的な紛い物だ 忘れてしまった美しい定理を 解き明かしていく感動を 脳みその果てに仕舞っている 正確な法則は失われて ただ残るのは演算式ラヴ 電気信号が心を高鳴らせるのだ 机上の空論が僕のヴィーナス 公理だけが僕の恋慕 a=bならa+c = b+c…

穢れた血が巡り合い 私は少し病気です 相応しくない自分を想い また可能性を辿ります 星の声が聴こえてますか 海は涙を堪えます そして私は気づくのです 悲しく優しい月の火傷 美しさが生んだ化け物は その月の痛みに照らされて 罪の果実を塗りたくり 装いを…

独善的に振る舞えど 雨の匂いは心地よく 自殺風だけ吹き荒れて 僕を忘れたあの娘(むすめ) 消費期限がギリギリの 声が胃の中で腐りゆき 僕に駆け抜ける正しい毒を 恐れる人はもう居ない 彼岸が過ぎたこの頃は 亡霊たちの囁きも 随分俗に染まっていると 独裁…

本当の言葉を手に取れど 僕の心は嘘を吐く 死にたくなるような蜃気楼 さよならだけは伝えたい 皺塗れのレシートに 記載されてる僕の価値 マジックペンでなぞったら 二度と消せぬと知っていた もしも世界がもう少し 低く狭く小さいならば 自意識だけが強烈に …

手をかざして 透き通る思惑 そのまま信仰に倣って 回れ右のち鳥になる 偉そうな人と 厳しそうな人 けれども僕を殺すのは 誰よりも優しそうな人 これが真実じゃない なんて僕には信じられない 忘れられない愛の肉袋は 既に蟻たちに喰い散らかされた 両手を差…

誰の何が悪かったのか 誰の何を間違えたのか そんな事に惑わされ 復讐誓った幼い僕が 今ではとても愛しくて 抱きしめたくて 受け入れたくて 背を押したくて 手を取りたくて 言葉に吐くのはアンモラル だけどそれは叶わずに 海馬の炎に焼べている それから九…

愛してしまった 翌日は雨 言葉にすると途端に陳腐だ 僕たちの可能性の話をする 嘘だと言ってよ 昨日(さくじつ)は夢 形にしまいと確かに選んだ 僕たちの不可逆な物語を知る 手紙を書きたい 叫びたい 体に触れたい 素直になりたい 其れが叶わぬ昨今は インタ…

強かな毒を酌み交わし 今日の晴れに想い馳せ 少し肌寒くなった今に ずっと夢を見ている錯覚に落ちて ポルノをポルノと認識した後 何者かにならなければならず 指先の痛みに必死に耐え 粗大ごみのような体を下ろし ふとアニメに涙を流した時 貴方の事が酷く心…

貴方の美しく伸びた髪に 月の光が宿った瞬間 僕が恋をしない理由が 砂糖のように溶けました それから何が変わったか 一体何が報われたか そういう細やかな現実感さえ 今は僕の勲章になっています ああ、愛おしい人よ 僕は貴方に命の答えを教わりました ああ…

地獄へ落ちた 憶えが悪い ただ悠然とした命の狭間に この身は焼け爛れて失われる 地獄へ落ちた 貴方を想う 日々の諍いの中で確かに愛を 嘯き結末から逃れていたのだ 地獄へ落ちた じっと手を見る 僕の罪とは恐らく一切の猶予もなく 僕自身の醜さに反映された…

僕は物語に救われる 不安な夜には熱い闘いを 悲しい朝には優しい恋を それでも寂しさだけは癒えず 僕は僕の物語を放棄する 僕は物語に救われる 不憫な晴れは誰かの決意を 錆びれた雨は誰かの自供を それでも寂しさだけは言えず 僕は僕の物語を俯瞰する 僕は…

僕が護った世界に 今日も季節は正直で いつかは僕の証明さえも 陽炎になって胸を痛ませるだけ それならば愛はどうだろうか 悲しみが沈む地平線さえ 怒りに煮え立つ成層圏さえ 不安が寄り添う時空間さえ 絶望に触れた精神界さえ 全てを許し祈り願う事が それ…