ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


2014-01-01から1年間の記事一覧

可愛いままで 甘ロリのドレス 可愛いままで ルーンのピアス 可愛いままで 濡れたくちびる 可愛いままで キティのネイル 一ミリの煙草 ピンクのウィッグ 天使のリュック まだ足りないの? 刻まれた手首も アクセサリーにする 死ぬほど可愛い 馬鹿過ぎた私 「…

スカートの中から 零れ落ちる詩を 拾い集める僕は ヘンゼルのようだ 小鳥たちが散じて 自動車のブレーキ 少女は気づかずに 詩を流し続ける 僕の両手は真っ赤で 穢れ果てたけど 進路は示されたから 怖いものはない スカートが揺れる 蜃気楼のように 遠くから…

神様たちの悪戯で 僕の姿は醜く育ち 貴方の裸の夢を見て 一人暗がりで蹲る 恋せぬ詩人は空想で 何度も何度も口づけし 皮膚の向こうの血管を 甘く齧って勃起した 世界中のポルノを眺め 思わず涙が溢れてる 灯りの要らない部屋の中 情欲だけが憎たらしい 性衝…

味や匂いや食感さえも 遺伝子を全て弄られた 僕は安価な悪品だから 他の方法は無かったの 子供が鼻を摘んでる 大人は過剰に笑ったら 上手に肉を切り分けて 皿の上へと盛り付ける お誕生日おめでとう 僕は子供に何とか伝える お誕生日おめでとう 好き嫌いは悪…

警告警告警告 僕の脳に何かいる 警告警告警告 神経系を齧ってる 自己統括が甘いのだ 自己感覚が薄いのだ 自己投影は手遅れで 自己憐憫は慎ましく 警告警告警告 思想は汚染を始め 警告警告警告 思慕は色相を覆す 僕は僕を考える 僕は僕の錯覚だ 僕は僕を把握…

人の不幸を種にして 僕は言詞を育てます 文脈の中に潜んだら 何者にもなれるのです 虐めを受ける不細工や 戦場へ行く少年兵は 僕の感傷を乱反射して 酷く鮮明に映すのです 死没の遺恨の無色の人や 愛を知らない危険児は 僕の打鍵に刺激を与え 傷の快楽へと酔…

七万円の生命たちを 穿孔機で粉砕した後 僕の独自の死生観を 水子の霊に押し付ける 危機感は無く 神秘を不信し 恋慕を傷つけ 障害を有す 子を成す子供を大人とし 覚悟を持てば親と呼ぶ 無作為に決める生命神話 僕は賛同を遠慮する 混紡に果て 種に唾を吐き …

君には足りない感覚で 一番切なくなるものを 此処では青と呼ぶんだよ 自由に自然に想像しよう そして頭に色が浮かべば 本当は何でも良いんだよ それが君の青だから 掛け替えのない色だから 僕らの生きる世界には 数多の青で満ちていて 空も海も幸せの鳥も 青…

あの娘を囲んだ虐待に 僕の戦争は始まった 届かなくても拳を振るい 痛くなくても飛びかかる 彼らの前世は略奪者 僕の前世は羊飼い それから僕は非難され 絆の権威で尊厳を失う 英雄伝には力があった 僕の聖書に強さはない あの娘は悲しく笑ってる 彼らは仲良…

魔法を恐れ 信じないなら この闇を蠢く 僕の手足に キスを交わし 忠誠を誓い ただ人の身で 不遇に跪け 僕が居れば 断罪は容易だ 僕が居れば 暴力は高貴だ 僕が居れば 後悔は遊戯だ 僕が居れば 存在は回帰だ 今来賓は揃った 魔法は密室 死をもって償え 完璧な…

僕らが歩くは正解の上 幾重に自分を捨てながら 躓いたなら正しき啓示 幾重に世界を捨てながら 勝者は説話を知らしめる その過程こそが正義なり 敗者は遺恨を語り継ぐ その過程こそが背徳なり 真なる正義は無いのだと 貧しい青年は喚いてる しかし林檎を与え…

革命児は 世界を壊す 理由は一つ 気に食わぬから 絆も祈りも赤信号も 愛も真理もスカートも 季節も街もセックスも 全て全てが気に食わぬ 革命児は 世界を殺す 理由は一つ つまらないから 夢も会話も満員電車も 日々も他人もドラッグも 会話も嘘もコミックも …

夏の暑さの中で 僕の詩は蹂躙され 何者かの意図で 忌み子だと囃される 遠くの祭囃子は 僕を希薄にさせる この胸の内までも 太鼓の音が掻き乱す 汗を掻いた言葉を 青姦の如く消費して 僕の韻や拍子らは 臆病だと笑われる 秋が偉大であれば 僕は胎児をやり直す…

消しゴムをかける 川を挟む夕暮れ 騒がしい雑踏 屋上からの俯瞰 消しゴムをかける 若き恋人の名前 遠き人の格言 強き人からの恫喝 消しゴムをかける 文学の選民思想 他人との関係性 奇跡を願う怠惰 消しゴムをかける 僕に生きる価値観 僕の血中の思い出 僕の…

黒人に生まれて 神性を内包し 肉体は鋭くなり 心には炎が点る スラム街で駆けて 石を投げ合う子供 それは銃弾となり 何れ脳髄を掻き出す 詠み人知らずの壁が 何より美しく語った 天啓と憎悪の中で 生命の真理を覗く その目は精確を視る その腕は何の為か 夜…

愛と称する未来でも 機械の世界は続いてる 有機に這いずる回線が 脈打つ電力を送ってる 僕の脳に埋め込んだ 地図アプリがそっと囁く 右も左も行けぬなら 自殺の勧めに此方へと 酸素を打鍵した後に 快適な地獄を再生する 人が人をやめたのを 勝利と喜ぶ不潔な…

曇天がやってくる 大きな目を見開いて 僕の人生の教訓を 全て無視しながら 謎が謎を呼ぶ天候 雨は実直に殴り付け 合間の空は冷たい 現実感など無いよ 電脳の世界にいる でも生きているの 仮想の狭間にいる でも信じているの 未来は僕のものだ 侵され難い心臓…

広島には 中央線は 無いんだよ 天国では 海の話も 飽きたのだ 東京には 僕の墓場は 無いんだよ 地獄では 母の名前を わめくのだ 「中央線」

僕は灰色の鳥になり 硬きパンを与えられ 聖性の集う広場にて 贖罪の為の矢を受ける 無神経な足音たちに 僕は雑踏を怯えてる 飛ぶには空は青過ぎて 翼は未だ拒絶をしてる 幾億回も羽ばたけど それでも遠くは遠いまま 癇癪を起こす神様が 授けた躰は作りが悪い…

サボテンの海を 少女は駆ける はしゃぎ回って クルクル踊る 痛みは贅沢に 薬液を少々 針は鋭く伸びて 静脈と出逢う サボテンの血で 少女は火照り 真っ赤な海で 幸いを見つける 惚けて寝転べば 感情に穴が空き 笑い声が止んで 其処は天国となる 「蜃気楼の針」

あの娘の聖書は ポルノな漫画 乱れた少女の その口足らず 愉悦の手稿を 裸で泳いで 子を産む定めに 冒涜を為す 毛布の中は 彼女の聖堂 悲惨な少女へ 懺悔は要らぬ 聖書が齎す 淫らな死生に 崇拝するのは 快楽の知恵 「ひらくの聖書」

貴方の動脈を 指で遊んで アルデンテになれば 爪で優しく齧る 青い顔の貴方 血管は昂まってく 首筋に至る口づけも 犬歯を沈めて味わった 燃える動脈を 固く握って パラダイスを視たら 一気に引きちぎる 暴れだす血管 貴方は声を上げる 血肉を全て絞った後は …

叶えはしない 貴方の都合を 許しはしない 貴方の理由を たった一度も 僕を信じず その情景だけ 差別したのに 貴方の世界は 貴方の誤解 貴方の多幸は 貴方の空疎 そして僕には 罪の根植えて 涙のあとさえ 白々しくて 「葬儀のあと」

夜がこんなに悲しいのは 暗闇に一死が潜むから 或いは視覚の外で 切実さまで枯れるから 完全なる未知と 永遠の夜は似ている 死神は胸に手を当て 憂いた顔で愛おしく想う 曲がった羽の天使は 食聖草に捕まっていく 夜の灯りに囁くのは 彼女を咀嚼し溶解する声…

貴方は信じない 僕の中の血肉は 概念の袋詰めで 生に解放されたと パンの代わりに 物語を食べる それはまるで魔法 観測体系の彼岸 跪く夢狂いに 叶える願いはない 安らかなる魂に 真実は必要ない 怯える貴方に 僕は孤独を落とす 視えない毒の杯を 今、飲み干…

細やかな花言葉は 花に意味を与える 僕にも言葉があれば 何かが残ったろうか 「美しい別れ」 「遠回りした涙」 「神様への同情」 「放物線からの恋」 僕の靴の中から 強い茎の花が咲く 地獄は胸の中で 色合いを欲しがった 「贅沢な孤独」 「追いついた空」 …

爽やかな青空 透き通る朝に 通り魔は少女を 滅多刺しにした 恐怖色の雲に 降り注ぐ黒雨 子供らは寄り添い 誓いのキスをした 屋上を包む風は 気持ちが良いものだ 飛び降りる時も 彼女はそう言った 情景は僕らを騙す 幸せを強いる嘘で 今日で世界は終わる 満天…

使わないものは 全て海に沈めて そのさざ波だけを ただ眺めている トラウマだって 遠くへ流れた 色欲の無粋は 赤く白く染める 気休めの言葉は 泡を吐き続け 天使の幻視は 海を酷く沸かせた 僕は爪先から 海の底へと歩む 途中で出会う あの人に謝る為に 「海…

ネコニエの噂のバグから 僕は一歩も進めないんだ 学校の前を彷徨いたのに 残酷な彼らと出会えない 瓶に詰まった黒い液体 ネコのジュースは猫の味 土に埋められ墓も無く 蓋を閉められ愛も無く 好きなあの娘は神様だった だから僕は天使を望んだ 誰より優しい…

酸性雨の中 少女は踊る 爪先立てて 腰を伸ばして 肌は溶けてく 余計なものだ 声は溶けてく 余計なものだ 骨を晒して 涙を失う 美しすぎる 彼女の本性 最期に愛へ 指を伸ばして 彫塑になるは 永遠の純潔 「レイニー・バレエ」