傘が遍在する
無口な隷属に
甘い嘘泣きは
手毬唄を残す
初恋の体温は
泪で遡行して
贅沢な回顧を
心理に彩った
虹が独立する
嘆美な革命に
薄い微笑みは
花言葉を宿す
有限の神様は
瞳で慰霊して
鮮烈な黙示を
悪夢に葬った
「イェット」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
易しい笑顔で
飽和した朝に
恋人は弱虫な
吐息を煙った
不治の大戦が
血液を煮沸し
温厚な兵器は
夢に残された
淋しい悲鳴で
自殺した雨に
神様は怠慢な
黙示を削った
無味の正論が
断罪を消費し
暗欝な懐疑は
匣に移された
「カーム」
歪の吹雪が
受難に集り
解読するは
繊細な暗示
強い理想で
荒く裁けば
多元の柩も
因果に慰む
病の劫火が
呪縛に唸り
推敲するは
硬骨な禁忌
深い憎悪で
熱く刻めば
女神の泪も
夜空に瞬く
「叙述兵器」
昨夜の神が
舌を愛撫し
若い漫然は
奈落に残る
融解する脳
正しい罪に
本音が溺れ
晩餐を迫る
明日の肉が
翅を讃美し
強い切願は
虚空に過る
到達する牙
眩しい欲に
仮想が壊れ
憧憬を渉る
「幸福の背丈」