ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


孤独癖の闇は

惜愛に嫉妬し

奈落で割れた

本音を辿った

 

必然を慰撫し

正負が渇けば

不細工な空に

泪は哀訴する

 

夜行性の罪は

失恋に勃起し

秘匿で揺れた

黙示を護った

 

定律を流布し

心理が荒めば

自堕落な嘘に

鏡は遡行する

 

 

「眩暈の深遠」

罰の足音が

残虐に迫り

精巧な翅を

運命で毟る

 

地獄が育む

感性を割る

熱い臓物に

苦悶する蛹

 

恥の香水が

強烈に集り

完璧な色を

追憶で削る

 

詩人が戦く

絶望を煮る

悪い後味に

破滅する蕾

 

 

「揺籃の首輪」

意味の重複に

切実さが薫る

初恋を美化し

蜃気楼は熱る

 

嘘が冷笑して

悲劇に溺れる

志向性の翅で

永遠を逃れる

 

価値の対称に

硬骨さが迫る

命運を畏怖し

彼岸花は宿る

 

黒が熟考して

暗示に潰れる

粉微塵の夢で

神様を忘れる

 

 

「情景の純度」

夜の喪服は

多大な星を

篤く告別し

密かに送る

 

本音は睡り

追憶が廻る

醜い奇蹟を

肯定する為

 

春の死罪は

可憐な色を

甘く惨殺し

僅かに熱る

 

美談は腐り

毒性が宿る

眩い禁忌を

羨望する程

 

 

「冥土終曲」