爆撃機が焼く
人類の打算に
正義は拗れて
火達磨で縋る
若い地獄図が
醜さを描写し
想起する神は
否認に塗れる
肉細工が病む
万物の杞憂に
精気は壊れて
利己心で肥る
弱い絵葉書が
貴さを叙述し
遡行する恥は
隙間に流れる
「無限の前線」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
土足の病が
悲劇に熟む
模倣した夏
不義な完全
君を詠んだ
新しい恋は
毒蛇の罠に
強く肯いた
本音の泪が
仮想に咲く
理解した沼
無垢な必然
僕を焚いた
難しい嘘は
星空の夢に
深く嘖んだ
「告別讃美」
恥の栄誉を
文筆する僕
曇った罠は
淋しく過る
悪霊が辿る
時代の檻で
酷く苦悶し
弱く燈った
癖の汚名を
愛玩する君
至った恋は
正しく肥る
難病が実る
個性の空で
甘く嘆美し
深く護った
「才能の歪」
美を翻訳し
泪雨が薫る
有害な街の
口実は亡ぶ
臆病に詠む
言葉の終末
叡智を過る
懸命な暗示
死を選別し
物語が還る
敬虔な嘘の
拍動は騒ぐ
純真に往く
心理の遠境
不滅を祈る
安息な禁忌
「リヴァース」