ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


醜く歪んだ獣

何でお前生きてるんだよ。
何であの時死ななかったんだよ。
何であの時死ななかったんだよ。
何であの時死ななかったんだよ。


こっち向けよ。
お前に話してるんだよ。
おい。
お前だよ。
お前だよ。
何が怖いんだ。
ふざけるな。
人を沢山殺しといてなんでおまえなんだよ。
何でお前だけ生き残ってるんだよ。
ふざけるなよ。
死んだ人たちに謝れよ。
土下座しろよ。
返せよ。
俺の愛する人たちを返してくれよ。
返してくれよ。
なんでだよ。
何でおまえなんだよ。


オレの事をふさぎこんで、いいこなふりしやがって。
ふざけんなよ。
やめてくれよ。
お前何様なんだよ。
やめてくれよ。
もうやめてくれよ。
そんなしにぞこない、勘弁してくれよ。


許さねえよ。
お前なんて絶対ゆるさねえよ。
醜く歪んでる癖して聖人ぶって。
優しい顔して人につけこんで。
返してくれよ。
大切なもの返してくれよ。
なんでなんだよ。
何でお前なんだよ。


勘弁してくれよ。
もうこんなところまで。
もうあとはないじゃないかよ。
もう誰にも謝れないじゃないかよ。
手も足もいらねえよ。
もう。
そんな姿さらしているな。
そんな心地いい位置で笑うなよ。
人殺し。
お前なんて死んでしまえ。
死んでしまえ。
死んでしまえ。
死んでしまえ。


返せ。




十時
今はまだ夜の十時
九時四十九分
ずっとずっとずっと
治らない
死ぬまで治らない
十時だ
消えたように
死んだように
いつまでも
十時だ




「九時四十九分」