ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


非情な釜に

若者は病む

死の音律で

電話が去る

 

恋を喩えて

夜に渉った

裡は血塗れ

暦が枯れた

 

気丈な蔭に

聖人は妬く

美の独裁で

手紙が散る

 

罰を讃えて

雨に縋った

嘘は手遅れ

灯が暮れた

 

 

「切なる不遇」

複製画は祈る

熱情の価値に

色彩を磨いて

理念が宿れど

 

繊細な敬慕は

冒涜を忘れて

美の袋小路で

帰結する罪悪

 

蜃気楼は悟る

虐殺の意味に

光景を歪めて

苦悶が腐れば

 

安穏な破滅は

宣告を怖れて

死の黄金律で

萌芽する沈黙

 

 

「贋物の魂」

恋の摂理を

航海したら

孤独な翼が

苛烈に繁る

 

髪が薫れば

泪を流して

実存に祈る

隷属の詩編

 

夜の不遇を

積雪しても

一途な鱗が

緻密に躍る

 

頬が燈れど

鏡を呪って

観念に触る

神様の対話

 

 

「憐れな無垢」

背理の御香が

命に沁みれば

僕は帰納して

遺骨を齧った

 

三日月は嘆く

崇高な結実を

君が居た街も

美に潰される

 

仮説の墓場が

骸に活きれど

僕は定義して

和菊を毟った

 

野良猫は憎む

丁寧な恩恵を

君が得た罰も

名に想われる

 

 

「算し阿弥陀