ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


背理の御香が

命に沁みれば

僕は帰納して

遺骨を齧った

 

三日月は嘆く

崇高な結実を

君が居た街も

美に潰される

 

仮説の墓場が

骸に活きれど

僕は定義して

和菊を毟った

 

野良猫は憎む

丁寧な恩恵を

君が得た罰も

名に想われる

 

 

「算し阿弥陀

野菜の瞳が

僕を侮蔑し

醜い大義で

聖地に罹る

 

神の誤診を

切に怒れど

痛覚は鳴き

心が落ちる

 

悪魔の雫が

僕を支配し

貴い殺意で

奈落に触る

 

裡の虚空を

常に悟れば

音律は病み

炎が満ちる

 

 

「蜘蛛の糸」

夏色の背広を

纏った夜想曲

星座は正しく

神々に重なる

 

静謐な鉄道が

子供心を揺す

海岸の電燈は

暗い夢に還る

 

天国の事典を

穢した後遺症

罹患は等しく

永別に連なる

 

盲目な先生が

反省談を問う

父母の愛憎は

慧い鳥に宿る

 

 

カシオペア

美学を刻み

旅する芋虫

熱に塗れて

恋人が泣く

 

夢は天性の

害悪だから

翅を望めど

空に祈らぬ

 

犠牲を招き

讃する紋白

嘘に溺れて

鱗粉が富む

 

神は半盲の

幸福だけど

罪を磨けば

冬に睡らぬ

 

 

「胡蝶主義」