ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


困難な頭蓋に

音感を詰めて

孤独で憶えた

六弦が吼える

 

逃亡兵の血が

旋律で色付く

銀河系は鳴き

天国を揺する

 

前衛な詩性に

問題を秘めて

空虚で鍛えた

妄言が煮える

 

赤信号の尾が

痛覚で息衝く

死化粧は咲き

絶望を撫する

 

 

「ノイズ」

噴水は怨み

暗鬱を謳う

易い歓喜

隷属に果て

 

苦痛は薄く

精気を偲び

静謐の色が

残虐に散る

 

灯台は嘆き

原罪を示す

荒い希望が

憐憫に満ち

 

理想は脆く

固執を喘ぎ

幸福の癖が

歪曲に照る

 

 

「心象自殺」

電柱の兵士が

平和に勘繰り

釜猫は多剤し

手首を刻んだ

 

牡象が暴れて

児童を肉にし

粗雑な演奏は

青年の欲望だ

 

狂信の夜鷹が

汚名に千擦り

野兎は自尊し

美品を怨んだ

 

沢蟹が隠れて

非道を性にし

気鬱な鉄道は

天空の悪心だ

 

 

「深淵の賢治」

怨嗟の墓に

故里を去る

身軽な嘘が

街で喘いで

 

祖は形骸し

理屈で黙る

静物の恋を

違える儘に

 

奇蹟の膣に

梅毒を知る

孤高な猫が

舌で偲んで

 

児は散漫し

自由で廃る

神託の雨を

厭える程に

 

 

「無頼の壇」