ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


どうにか花びら散る前に

桜の木の下に埋まった死体を

眺めてやろうと思ったのだ

 

色濃い花を咲かせるものは

沢山の血を吸い上げている

根元を掘るなどの下品はしない

彼らはじきに這い出てくるぞ

 

木枝に首を括った白骨たちは

埋もれる事なき臆病者で

春一番にゆっくり揺られて

時には蛆の雨を降らせる

 

翳りを胸に抱いた頃に

気安い陽射しで歩いて知った

――世界とは死体の材料である

 

 

「桜色の死体」