複製画は祈る
熱情の価値に
色彩を磨いて
理念が宿れど
繊細な敬慕は
冒涜を忘れて
美の袋小路で
帰結する罪悪
蜃気楼は悟る
虐殺の意味に
光景を歪めて
苦悶が腐れば
安穏な破滅は
宣告を怖れて
死の黄金律で
萌芽する沈黙
「贋物の魂」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
複製画は祈る
熱情の価値に
色彩を磨いて
理念が宿れど
繊細な敬慕は
冒涜を忘れて
美の袋小路で
帰結する罪悪
蜃気楼は悟る
虐殺の意味に
光景を歪めて
苦悶が腐れば
安穏な破滅は
宣告を怖れて
死の黄金律で
萌芽する沈黙
「贋物の魂」
野菜の瞳が
僕を侮蔑し
醜い大義で
聖地に罹る
神の誤診を
切に怒れど
痛覚は鳴き
心が落ちる
悪魔の雫が
僕を支配し
貴い殺意で
奈落に触る
裡の虚空を
常に悟れば
音律は病み
炎が満ちる
「蜘蛛の糸」
美学を刻み
旅する芋虫
熱に塗れて
恋人が泣く
夢は天性の
害悪だから
翅を望めど
空に祈らぬ
犠牲を招き
讃する紋白
嘘に溺れて
鱗粉が富む
神は半盲の
幸福だけど
罪を磨けば
冬に睡らぬ
「胡蝶主義」