2014-11-05 ■ 深煎りした恋を 夜道で振りかざす 心臓を抉り出して その鼓動に期待する 貴方は冷たいから 僕の砂糖は溶け残る ミルクを掻き混ぜながら 何度も何度も味を見る 血肉と臓物だけが 僕の躰を受け入れる 整頓された貴方でも テイクアウトは難しい 焦がす直前の顛末に 僕は湯気まで愛おしい 惨めな想いは果てて 苦さが美味い歳になる 「深煎りの恋」