2014-06-19 ■ 我が躰に責任はなく 情愛の暴力だけを注ぐ 生命と名付けた症例に 身重のお腹へ針を刺す はじける女の血潮さえ 浴びたら雨と変わらない 傘も差さずに仰ぐなら 育つ花さえ踏みにじる 水子の霊を瓶に詰め からりからりらからりんと 祭囃子に飲み込まれ からりからりらからりんと そして悪食の果てに立ち 我が生存の意味を失う 全ての足跡に呪詛が咲き 喧騒の中でサカリが笑った 「悪食」