オヤツに食べた洋菓子で
砂漠になった口の中を
罪を背負いし旅人が一人
彷徨いながら歩いている
此処は甘さを知る砂丘
私の甘えで置き去りにした
恋人の味を知るところ
此処は辛さを知る砂丘
私の辛辣な見限りで死んだ
我が子の味を知るところ
此処は苦さを知る砂丘
私の苦い過ちで歳をとる
母親の味を知るところ
旅人は疲れ果て喉に辿り着くと
愚かな追想に涙ながらに祈った
さすれば神は赦しを与えて
ミルクの海で彼を飲み干した
そしてその複雑な味わいに
神は非常に満足なされた
「三時の贖罪」