2014-03-31 ■ 水滴に一目惚れし 砂漠へ旅立つ前に 健全な肌が恋しく 毛布に残る血を舐める 渡り鳥が空しげに 羽を休める泉で 亡骸になった辞書の 見解を詩のように扱う 雨音の歳を数えて 取り乱した事実の 言葉の意味を求めて 息が詰まる記憶の その果てに佇めば 誠実であると信じて 水に記した手紙は いつか風に奪われる 「水分の文面」