ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


「あの子は口で指輪つけた」「其のとき僕は彼女に恋をした」

ナイフを落として足切って
拾おうとしたら猫が来て
手を伸ばしたら逃げてった
黒い黒い真っ黒な猫


手錠の真似してるうちに一日は終わっちゃって
あの子眺めているうちに一日は終わっちゃって
煙草吸いためてるうちに一日は終わっちゃって
どうすりゃ時間を使えるかわからない


希望を落として胸張って
拾おうとしたらあの子来て
抱きしめようにも逃げてった
黒い黒い真っ黒な髪


阿呆の真似しているうちに一生終わっちゃって
考えている振りするうちに一生終わっちゃって
可哀想なまねしてるうちに一生終わっちゃって
どうすりゃ愛してもらえるか分からない


気が済みたくて殴ったら
蜻蛉のように逃げてった
換気のために窓開けた
余計なものが入りだす


簡単すぎていやになるからやらないことが格好いい
努力をしなけりゃ駄目だから出遅れた僕は格好いい


気が済みたくて話したら
他人の振りして逃げてった
皆に合わせて笑顔した
余計なものが入りだす


簡単すぎていやになるから今更何もしたくない
努力をしなけりゃ駄目だから出遅れなのでしたくない





「暴君の俺」