ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


重き鼻炎で

泪を憎み切り

電話に語る

ハローハロー

 

密かな傷で

久遠を犯せば

指で尋ねて

ハローハロー

 

歪む前歯で

煙に齧り付き

夜に残した

ハローハロー

 

乏しき欲で

幻視に倣えば

自壊で描く

ハローハロー

 

 

「孔の荒涼」

初恋とは

祈りの徒消

恥の中毒化

飢渇の悪業

 

色恋とは

毛布の微熱

指の重過失

不全の叫び

 

永恋とは

宇宙心理学

散文的器官

落涙唯物論

 

諸恋とは

貴女の天恵

僕の片割れ

最期の混和

 

 

「慕の景色」

星雲の尾で

蟻が燈る時

不平に集る

新品の真理

 

風が裡にて

知を葬送し

暗鬼の責で

殻を穢した

 

閑窓の蔭に

返事を縫い

遡った荷は

輪舞の名残

 

芯が酸化し

花香に畏れ

骨を齧る程

機に仇する

 

 

「クルード」

次元の琴線は

径の端を歩き

小銭が囁く儘

嘘に擬態する

 

旅は旅らしく

昏鐘を見送り

極地の麓まで

罪を模索する

 

混血の因果は

塔の檻で孕み

手枷が佇む程

神を嗜好する

 

傷は傷らしく

朝凪に頬寄せ

篤疾の底でも

韻に寄生する

 

 

「宿世の種」