ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


神聖な馬は

夜空を食む

切望の闇で

夢に還って

 

月の難さが

目蓋に浮く

喉は落日し

天国を舐る

 

幸福な鳥は

季節を吐く

免罪の釜で

唄に綴って

 

花の弱さが

悲愴に熟む

風は精鍛し

恋人を護る

 

 

「不治の絵」

悪食な詩人は

淘汰を優遇し

淋しい神様が

問罪に廻った

 

綺想な迷離は

精確に眩しく

憂思の余韻を

哀惜で昇った

 

惨毒な王妃は

寝息を迫害し

愛しい滅亡が

鍵盤に還った

 

無口な小雨は

陰欝に苦しく

破綻の腐肉を

羨望で辿った

 

 

「混沌の残滓」

口紅の熱が

帰納する庭

睡魔は甘く

悲運を踊る

 

詩は臆想し

裡を論ずる

泪の奇蹟に

雨が鈍って

 

六弦の胚が

乱気する骨

明知は遠く

名残を辿る

 

無は嘆息し

罪を禁ずる

柩の浪費に

時が奔って

 

 

「カノン」

電話線を齧る

連奏の不在は

死滅した取柄

眩しい天文学

 

落雷の痛惜は

孤独を製造し

我儘な騒音に

悪魔が縋った

 

備忘録を炙る

難文の無実は

根治した役目

正しい画一性

 

有識の変数は

手枷を明言し

濃彩な妄覚に

心理が実った

 

 

「透く支度」