2017-09-25 ■ 淡い昼間を 盲信できず 恍惚な夢に 悪く疲れる 幻想の色が 体系となり 遠離する花 懸念を触る 永い夜中を 征服できず 乱暴な舞に 深く溺れる 冒涜の岸が 泡沫となり 吐精する脳 名前を祀る 「過ちの翼」
2017-09-24 ■ 感性の離島で 苦味を創作し 諦視して泣く 静謐な夢想癖 雨粒は摩損し 幽霊となった 頬に交接して 悲愴を弱めた 命数の線路で 遺薫を憐愛し 認知して笑む 完璧な倫理学 夕風は帰結し 神様となった 乳に抱擁して 他心を躾けた 「万有揺籃」
2017-09-23 ■ 蛆虫は牙で 暗く謀反し 敵役の骨が 落日に祈る 聖い酩酊が 詩を燃焼し 甘い孤立は 約束に渉る 抜殻は棘で 強く否定し 完善の幕が 星芒に睡る 遠い変則が 理を演出し 永い多罪は 若鷹に宿る 「チェルカリ」
2017-09-22 ■ 機械の神殿は 裏庭で稼動し 迷惑な哲理に 本物を燈した 聖典を研磨し 鉄が隠蔽する 悪魔の装置に 欲望は肥った 葉虫の宵町は 心臓で輪廻し 端整な盲唖に 蔓延を宿した 唯識を悲哀し 華が散漫する 死滅の遠路に 嘆息は実った 「切なる文明」
2017-09-21 ■ 鯨の寝息で 滅亡した庭 静謐な風が 形骸を辿る 悪夢の門は 深く悩殺し 空しい生を 最適に嬲る 燕の死闘で 成立した神 健全な虹が 法則を縋る 認知の橋は 永く延命し 等しい罪を 乱暴に炙る 「因果日和」
2017-09-20 ■ 怪物は注視し 恋文を怖れた 平穏な奈落で 聖く消耗した 醜い不等号が 野花に宿って 稔性の砲列を 独善で命じた 遊星は修理し 雨音を忘れた 精確な機関で 慧く調律した 儚い無神論が 末路に睡って 巧説の心霊を 暴悪で変じた 「ミッシング」
2017-09-19 ■ 知の骨折に 剃刀が澄む 淡い博愛は 死肉を削る 弱虫な息が 苦く演壇し 連鎖の病を 沈痛に量る 個の密告に 霊性が透く 若い賛嘆は 明視を護る 繊細な夜が 深く融合し 孤独の鏡を 淫奔に殴る 「落伍の生傷」