ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


機械の神殿は

裏庭で稼動し

迷惑な哲理に

本物を燈した

 

聖典を研磨し

鉄が隠蔽する

悪魔の装置に

欲望は肥った

 

葉虫の宵町は

心臓で輪廻し

端整な盲唖に

蔓延を宿した

 

唯識を悲哀し

華が散漫する

死滅の遠路に

嘆息は実った

 

 

「切なる文明」

鯨の寝息で

滅亡した庭

静謐な風が

形骸を辿る

 

悪夢の門は

深く悩殺し

空しい生を

最適に嬲る

 

燕の死闘で

成立した神

健全な虹が

法則を縋る

 

認知の橋は

永く延命し

等しい罪を

乱暴に炙る

 

 

「因果日和」

怪物は注視し

恋文を怖れた

平穏な奈落で

聖く消耗した

 

醜い不等号が

野花に宿って

稔性の砲列を

独善で命じた

 

遊星は修理し

雨音を忘れた

精確な機関で

慧く調律した

 

儚い無神論

末路に睡って

巧説の心霊を

暴悪で変じた

 

 

「ミッシング」

知の骨折に

剃刀が澄む

淡い博愛は

死肉を削る

 

弱虫な息が

苦く演壇し

連鎖の病を

沈痛に量る

 

個の密告に

霊性が透く

若い賛嘆は

明視を護る

 

繊細な夜が

深く融合し

孤独の鏡を

淫奔に殴る

 

 

「落伍の生傷」