ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


哲学の唄声は

脳裡で共鳴し

神経痛を辿る

雨に敗北して

 

露骨な非望は

感性を指揮し

偽物が誇った

遥遠の正論理

 

存在の熱演は

戦地で反響し

完全癖を護る

月に訣別して

 

危険な告諭は

憂欝を拉致し

変型が縋った

冥福の暗黙知

 

 

「天空の懐」

透明な花は

暗く泣いて

詩人の裡に

哀訴を刻む

 

霊魂に宿る

被曝した無

深い尊崇を

悪魔が食む

 

喧騒な月は

弱く笑んで

家畜の夢に

哲理を招く

 

法則に迫る

依存した個

甘い嘆声を

天使が吐く

 

 

「ライ」

核兵器は睡る

平熱の憂世で

安息が流れる

箱庭を仮想し

 

太陽が降下し

煮えた畜肉に

夜を渇望して

騒霊となる肌

 

否定形は祈る

密造の詩作で

確言が薄れる

滅裂を暗喩し

 

真説が非斥し

褪せた神様に

罪を崇拝して

乱人となる喉

 

 

「スロウリイ」

屍は風化し

静物を踊る

睡い読点が

連続し散る

 

花束の色は

苦い悲劇で

耽美な嘘を

追懐に刻む

 

魂は混和し

様相を悟る

細い旋律が

永存し降る

 

楽園の夢は

遠い霊雨で

暗愚な闇を

喪失に招く

 

 

シエスタ