嘘の面積が
色を較べて
永い空白は
演算に耽る
電池で動く
僕の数字は
狂気に敗れ
迷宮を生む
夢の文体が
星を転げて
古い円環は
解読に至る
夏日で傷む
君の言葉は
情火に溺れ
芸術を吐く
「痴の学問」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
嘘の面積が
色を較べて
永い空白は
演算に耽る
電池で動く
僕の数字は
狂気に敗れ
迷宮を生む
夢の文体が
星を転げて
古い円環は
解読に至る
夏日で傷む
君の言葉は
情火に溺れ
芸術を吐く
「痴の学問」
月光の花園で
奇想曲が踊る
天使は遊歩し
寝息に憧れる
富んだ聖人が
文法を磨けば
約束に佇むは
恋心の逞しさ
鉄骨の軍国で
週刊紙が祈る
悪魔は黙秘し
目蓋に訪れる
欠いた亡霊が
概念を妬めど
痛覚に肯くは
泪雨の美しさ
「芸術の肉」
季節愁いは
雨に微笑む
空の顔色を
蕾が知見し
酷な星霜が
削った幻は
落日で揺れ
枷を続ける
讃美殺しは
稿に半泣く
韻の肉塊を
栞が暗記し
切な文学が
創った魂は
深窓で熟れ
神を咎める
「烏の役目」
薫る下着は
元始の恥で
赤い因果を
刻印してる
罪の林檎を
唇で触って
禁忌な恋は
悪運に点く
抛る帽子は
未来の柄で
浄い無益を
懐妊してる
空の兵器を
魂で計って
一途な嘘は
切願に熟む
「モード」
千光年の唄で
神話が調律し
君は軀を去り
永遠に旅する
淋しい戦慄が
連続性で暴れ
吐息の夢想を
霊魂に奉ずる
天動説の色で
真理が反証し
僕は心を縒り
丁寧に愛する
烈しい切願は
白熱灯で薄れ
窓辺の美学を
恒星に詠ずる
「運命姫」
野菜溢れる
喧騒の街で
僕は独歩し
理窟を磨く
包丁躾けて
意訳が瞬く
冷血な蔭に
錯乱を贈る
羽虫暴れる
隔絶の庭で
君は私選し
美学を求む
標本崇めて
至福が佇む
細密な恋に
惨痛を飾る
「殺人要点」