ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


瞳の愛読者は

苦悩を喜んだ

哀しい怨嗟で

光彩が映えて

 

君は戦死して

無罪に還った

満月が秘めた

氷菓子を遺し

 

泪の回遊魚は

不毛を寛いだ

空しい弱音で

結実が褪せて

 

僕は孤立して

詩篇に至った

海風が融けた

麻酔剤を想い

 

 

「雨の義眼」

薫る下着は

元始の恥で

赤い因果を

刻印してる

 

罪の林檎を

唇で触って

禁忌な恋は

悪運に点く

 

抛る帽子は

未来の柄で

浄い無益を

懐妊してる

 

空の兵器を

魂で計って

一途な嘘は

切願に熟む

 

 

「モード」

千光年の唄で

神話が調律し

君は軀を去り

永遠に旅する

 

淋しい戦慄が

連続性で暴れ

吐息の夢想を

霊魂に奉ずる

 

天動説の色で

真理が反証し

僕は心を縒り

丁寧に愛する

 

烈しい切願は

白熱灯で薄れ

窓辺の美学を

恒星に詠ずる

 

 

「運命姫」

野菜溢れる

喧騒の街で

僕は独歩し

理窟を磨く

 

包丁躾けて

意訳が瞬く

冷血な蔭に

錯乱を贈る

 

羽虫暴れる

隔絶の庭で

君は私選し

美学を求む

 

標本崇めて

至福が佇む

細密な恋に

惨痛を飾る

 

 

「殺人要点」