ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


地下鉄に残る

血痕を貴んで

痛覚の幻想が

喉で交差する

 

線路の悲鳴は

苦く死に響き

赤錆が薫れば

遠い星を願う

 

絵葉書に渉る

筆跡を呟いて

嘆息の引用が

膣で自転する

 

旅出の朝陽は

聖く美に恵み

歳月が語れど

慧い花を乱す

 

 

「ハンカチ」

悪き妄想に

存在する君

囁く詩篇

恋で溢れる

 

唇の愁いも

舌で呪われ

幻肢が悟る

上品な滅亡

 

深き花園に

泡沫する僕

佇む美景は

雨で潰れる

 

魂の写しも

熱で燈され

季節が薫る

凶暴な永遠

 

 

「センス」

時計が忘れた

天国を詠めば

君の偽悪だと

聖人は想った

 

唸る冷凍庫は

詩学に喩えて

肉が観る夢を

満月から護る

 

貴石が怖れた

根底を描けど

僕の慈愛だと

骸骨は話した

 

迫る爆撃機

画題に任せて

罪が降る熱を

断片より悟る

 

 

「死後硬直」

雨の靴音に

森は歓喜

肥った闇を

増殖させる

 

太陽が焼く

暴虐に慣れ

古い獣道は

幻想を妊む

 

人の星震に

街は過失し

訛った嘘を

証明させる

 

引用が富む

寵愛に触れ

永い物語は

曝葬を招く

 

 

「竜の視覚」