君は気儘に
僕を介護し
平穏な指で
惨殺してく
隔てた愛想
慈悲の混濁
泪に映った
美しい否定
僕は卑屈に
君を回顧し
憂悶な声で
滅亡してく
育てた隠喩
無垢の精練
鏡に交った
難しい認知
「圏外の瞳」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
君は気儘に
僕を介護し
平穏な指で
惨殺してく
隔てた愛想
慈悲の混濁
泪に映った
美しい否定
僕は卑屈に
君を回顧し
憂悶な声で
滅亡してく
育てた隠喩
無垢の精練
鏡に交った
難しい認知
「圏外の瞳」
不沈な思惑を
天使は調律し
何も讃美せず
欲望に肯いた
生肉が踊って
熱を感じれば
無口な大罪に
正義は溺れた
苦難な感性を
悪魔は祝福し
誰も排他せず
完結に慄いた
瞳孔が燈って
嘘を詠じれど
気鬱な恩恵に
悲願は怖れた
「慈愛の裡」
星廻りして
科白を託す
霊魂の寝相
空しき噴水
夜を祝福し
煙草は燃え
演算が罹る
精巧な美感
雨宿りして
秘密を憩う
混沌の手癖
愛しき蜂蜜
花を忘却し
銀貨は褪せ
読点が護る
肉厚な余韻
「運命の躯」
地下鉄に残る
血痕を貴んで
痛覚の幻想が
喉で交差する
線路の悲鳴は
苦く死に響き
赤錆が薫れば
遠い星を願う
絵葉書に渉る
筆跡を呟いて
嘆息の引用が
膣で自転する
旅出の朝陽は
聖く美に恵み
歳月が語れど
慧い花を乱す
「ハンカチ」