非力な初恋に
泪の花は散り
呪った嘆息が
平穏を悼んだ
淋しい道草は
宵闇に渉って
夜光蝶の嘘を
満月が磨いた
不実な生傷に
病の熱は去り
殺した憧憬が
天罰を睨んだ
苦しい哲学は
空白に罹って
宇宙船の夢を
雑音が描いた
「青春の痣」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
非力な初恋に
泪の花は散り
呪った嘆息が
平穏を悼んだ
淋しい道草は
宵闇に渉って
夜光蝶の嘘を
満月が磨いた
不実な生傷に
病の熱は去り
殺した憧憬が
天罰を睨んだ
苦しい哲学は
空白に罹って
宇宙船の夢を
雑音が描いた
「青春の痣」
非情な釜に
若者は病む
死の音律で
電話が去る
恋を喩えて
夜に渉った
裡は血塗れ
暦が枯れた
気丈な蔭に
聖人は妬く
美の独裁で
手紙が散る
罰を讃えて
雨に縋った
嘘は手遅れ
灯が暮れた
「切なる不遇」
複製画は祈る
熱情の価値に
色彩を磨いて
理念が宿れど
繊細な敬慕は
冒涜を忘れて
美の袋小路で
帰結する罪悪
蜃気楼は悟る
虐殺の意味に
光景を歪めて
苦悶が腐れば
安穏な破滅は
宣告を怖れて
死の黄金律で
萌芽する沈黙
「贋物の魂」
野菜の瞳が
僕を侮蔑し
醜い大義で
聖地に罹る
神の誤診を
切に怒れど
痛覚は鳴き
心が落ちる
悪魔の雫が
僕を支配し
貴い殺意で
奈落に触る
裡の虚空を
常に悟れば
音律は病み
炎が満ちる
「蜘蛛の糸」