ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


道端に咲いた

敬虔を捜して

気儘な旅人が

裸足で廻った

 

景色は流線型

砂の声を知り

遠く深む空が

微かに笑った

 

惜別に点いた

勇壮を逃して

誇大な王様が

詩想で睡った

 

活字は浄福性

闇の痕を去り

永く掴む夢が

密かに叶った

 

 

「恩恵論」

義憤の瞳は

亡ばぬ嵐を

裡で廻らせ

残忍に視る

 

屠った猫に

墓も造らず

悪食好んだ

神の怠惰を

 

覚悟の刃は

結ばぬ病を

芯で燈らせ

冷血に斬る

 

縛った匣に

罪も祈らず

強欲刻んだ

人の汚穢を

 

 

「聖き修羅」

星の雨宿りに

目頭が燃える

甘美な引力を

根底で悟って

 

廻る夢を観る

神話の安楽死

煌く恋で編む

罪深い詩劇よ

 

闇の花盛りに

哲学が癒える

穏和な終末を

聖域で想って

 

燈る街を去る

汽笛の鎮魂歌

瞬く嘘で富む

心無い銀河よ

 

 

「オリオン座」