ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


冬の向日葵は

寵愛を縒らず

孤高な色彩で

密やかに咲く

 

深雪は黙って

句読点に宿す

予言した命が

淡い夢を病む

 

朝の牡牛座は

憂愁を刈らず

神秘な幻覚で

鮮やかに点く

 

青空は惑って

鎮魂歌に乱す

換気した心が

聖い悪を食む

 

 

「氷る美景」

人肉の味に

部族は祈る

詠で殺した

個性を鎖し

 

深い共有は

混成に至り

自動な罪を

空腹で悟る

 

暴力の恋に

売女は罹る

膣で捜した

苦痛を肥し

 

強い独善は

存在に触り

非道な傷を

演算で語る

 

 

「モダン

満月も嘆いた

数奇な憂世に

天使は夢精し

下着を浄める

 

空箱を廻って

切実に求めど

善悪は嘘吐き

夜露の見逃し

 

肋骨も暴いた

不正な叡智に

奴隷は奉仕し

因果を殺める

 

祝福を毟って

硬骨に否めど

原罪は端書き

理想の仕返し

 

 

「バベル」

哀しい泥に

穢れた僕は

温厚な罪を

巧く演じた

 

歳月が囁き

赦された街

堕落に怯え

悪夢を焚く

 

淋しい雪に

紛れた君は

崇高な毒を

強く信じた

 

彗星が瞬き

殺された空

詩想に喩え

美神を惹く

 

 

「濡れた音色」