雨の暗喩を
信ずる僕は
雪に救われ
凍土で睡る
言葉が痺れ
忘れた恋に
体温の下で
泪は流れる
窓の思考を
論ずる君は
月に呪われ
夜風で軋る
希望が暴れ
穢れた嘘に
遠景の許で
病は捩れる
「命の台詞」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
雨の暗喩を
信ずる僕は
雪に救われ
凍土で睡る
言葉が痺れ
忘れた恋に
体温の下で
泪は流れる
窓の思考を
論ずる君は
月に呪われ
夜風で軋る
希望が暴れ
穢れた嘘に
遠景の許で
病は捩れる
「命の台詞」
冬の向日葵は
寵愛を縒らず
孤高な色彩で
密やかに咲く
深雪は黙って
句読点に宿す
予言した命が
淡い夢を病む
朝の牡牛座は
憂愁を刈らず
神秘な幻覚で
鮮やかに点く
青空は惑って
鎮魂歌に乱す
換気した心が
聖い悪を食む
「氷る美景」
満月も嘆いた
数奇な憂世に
天使は夢精し
下着を浄める
空箱を廻って
切実に求めど
善悪は嘘吐き
夜露の見逃し
肋骨も暴いた
不正な叡智に
奴隷は奉仕し
因果を殺める
祝福を毟って
硬骨に否めど
原罪は端書き
理想の仕返し
「バベル」
哀しい泥に
穢れた僕は
温厚な罪を
巧く演じた
歳月が囁き
赦された街
堕落に怯え
悪夢を焚く
淋しい雪に
紛れた君は
崇高な毒を
強く信じた
彗星が瞬き
殺された空
詩想に喩え
美神を惹く
「濡れた音色」