2014-07-30 ■ 白い一匹の蟲が 僕を誘っている 希薄なビル街へ 湿った線路上へ 肺で酸素を奪い 蟲は僕の骨を這う 脳みそを齧っては 心臓を少しだけ止める ――これ以上生きるのは ――これ以上傷つくのは 蟲は代償行為だ ただ煙草の灰に視た 憧憬の末路にある 夏の日照りの亡霊よ 「白い蟲」