2014-04-29 ■ 私は知っている ビルの生えた草原の陰で 紅い顔した欲望が 鋭い爪で躊躇なく 非力な肉を引き裂いたのを 死神の憂いは 枝ほどに細いその指先で そっと多くの背中を撫でて 化け物らを一人殺すたびに 幾万の犠牲を払う事 甘い言葉は本当は苦い 一人過てば群生も容易い 天の教えも改竄される 悪魔の種子は芽吹き始めて この人類は滅ぶと決まる 「父なる死神」