2013-09-12 ■ 僕は物語に救われる 不安な夜には熱い闘いを 悲しい朝には優しい恋を それでも寂しさだけは癒えず 僕は僕の物語を放棄する 僕は物語に救われる 不憫な晴れは誰かの決意を 錆びれた雨は誰かの自供を それでも寂しさだけは言えず 僕は僕の物語を俯瞰する 僕は空洞の感性を以てして 昨日も明日も救われ続け そして解決は為されぬままに 寂しからずやソーダ水で 音も立てずに壊れたあの日に 追憶をして夢を見ている ああ、物語とはまことに残酷だ 「牙を抜いたら物語」